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会社の健康診断で調べられる項目は?健康診断が義務づけられている理由

ichiba hideki

2014/05/19(最終更新日:2020/09/30)


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「なぜ会社で健康診断をするのかな?」と気になっている人も多いのではないでしょうか。

実は、会社で健康診断をすることは法律で明確に義務づけされています。

本記事では、会社の健康診断が義務づけられている理由や、会社が行う健康診断の種類などを詳しくご紹介します。

本記事の内容をざっくり説明
  • 健康診断を行う必要がある理由
  • 会社で健康診断を受けられる人の対象
  • 事業者が実施する健康診断の種類とチェックする内容
 

なぜ健康診断を行う必要があるの?

「毎年ある健康診断ってちょっとめんどくさい」と思っている人もいるのではないでしょうか。

実は会社が健康診断を行うことは、労働安全衛生法第66条以下および労働安全衛生規則などに定められています。

また、企業は「従業員が健康的ではない場合、十分にパフォーマンスが出せない」「健康的に働けるために会社がある程度管理する必要がある」といった考え方から、従業員の健康にも配慮しています。

健康診断を受けることは、少し煩わしく感じるかもしれません。しかし、自分の健康を守ることに繋がるので、忘れずに受けるようにしましょう。

また、会社が健康診断を行わなかった場合には、違法行為であるとみなされてしまい、労働基準監督署から指導が入ります。それでも、健康診断を行わなければ、健康診断義務違反(労働安全衛生法66条)となり、50万円以下の罰金となります。

「健康診断を受けたいけれど、会社のサポートがない」という場合は、会社の規定を確認してみることがおすすめです。

 

会社で健康診断を受けられる人の対象

実は、会社で働いているすべての人が健康診断を受けなければいけないわけではありません。

正規従業員は健康診断を受けなければいけません。

しかし、アルバイトやパートで、正規従業員の労働時間の4分の3以上を勤務していない場合は、法律上は会社負担で健康診断を受ける権利がありません

勤務体系ではなく、労働時間によって決定される点がポイントです。

一方、会社の規定によってはアルバイトやパートで、正規従業員の労働時間の4分の3以下でも健康診断を受けられる企業もあります。ご自身が勤務している会社の規定を確認してみましょう。

 

事業者が実施する健康診断の種類とチェックする内容

正規従業員である場合は、必ず健康診断を受ける必要があることをご紹介しました。

健康診断を言われるままに受けていて、実際にどんな項目をチェックしているのか知らない人もいるでしょう。

実は定期健康診断のチェックする内容と、会社に入って初めて受けた健康診断の内容は異なります。

以下では、事業者が実施する健康診断の種類とチェックする内容を詳しくご紹介します。

 

1.雇入時健康診断(労働安全衛生規則第43条)

事業者が実施する健康診断の1つ目は、「雇入時健康診断」です。

雇入時(やといいれじ)健康診断とは、その名の通り、常時勤務する人が健康であるかを確かめる健康診断です。

常時勤務する人とは、期間の定めのない契約により使用される者であり、労働時間が通常の労働者の労働時間の4分の3以上である人のことをいいます。

雇入時健康診断では以下の内容を診断します。

雇入時健康診断のチェック内容
  • 既往歴及び業務歴の調査
  • 自覚症状及び他覚症状の有無の検査
  • 身長、体重、腹囲、視力及び聴力
  • 胸部エックス線検査
  • 血圧の測定
  • 貧血検査
  • 肝機能検査
  • 血中脂質検査
  • 血糖検査
  • 尿検査
  • 心電図検査

参考:労働安全衛生規則第43条

 

2.定期健康診断(労働安全衛生規則第44条)

事業者が実施する健康診断の2つ目は、「定期健康診断」です。

定期健康診断とは、常時勤務する人が1年に1回、定期的行われる健康診断のことです。

定期健康診断では、以下の内容を診断します。

定期健康診断のチェック内容
  • 既往歴及び業務歴の調査
  • 自覚症状及び他覚症状の有無の検査
  • 身長、体重、腹囲、視力及び聴力
  • 胸部エックス線検査及び喀痰検査
  • 血圧の測定
  • 貧血検査
  • 肝機能検査
  • 血中脂質検査
  • 血糖検査
  • 尿検査
  • 心電図検査

参考:労働安全衛生規則第44条

雇入時健康診断と異なるのは、「喀痰(かくたん)検査」が増えている点です。痰の中に、がん細胞や細菌が含まれていないかを調べる検査です。

 

3.特定業務従事者健康診断(労働安全衛生規則第45条第1項)

事業者が実施する健康診断の3つ目は、「特定業務従事者健康診断」です。

特定業務とは、深夜に働いたり、危険と隣り合わせの仕事を行っていたりする人のことをいいます。例えば、高熱のものを扱う仕事や、汚染されたものを扱う仕事のことです。

危険な仕事を行っているため、健康診断は、6ヵ月に1回行われます。

内容は、上記でご紹介した健康診断と同じ内容です。

 

会社の健康診断を利用して健康管理を行おう

本記事のまとめ
  • 健康診断は、自分たちの健康を守り、安全に働けるために、法律によって義務付けられている
  • 健康診断は、正規従業員の場合必ず受ける必要がある
  • 定期健康診断や雇入時健康診断などの種類がある

本記事では、健康診断を行う必要性や健康診断の種類についてご紹介しました。

健康診断を1年に1回受けなければいけないことをわずらわしく思う人もいるかもしれません。

しかし、自費で健康診断を行うと、費用がかかるものです。自分の健康を守るためにも、しっかりと健康診断を受けるようにしてください。

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