リスクマネジメントとリスクヘッジは、両方ともリスクがつくことには変わりません。しかし、リスクマネジメントとリスクヘッジはどう違うのか理解している人は少ないと思います。そこで、今回はリスクマネジメントとリスクヘッジの違いを紹介したいと思います。
リスクマネジメント
そもそも、リスクマネジメントとはなんでしょうか。日本で一番最初にこの言葉を使いだしたのは、元警察庁の佐々淳行氏と言われております。彼はリスクマネジメントを「危機管理」と訳しています。
つまり、「危機に対して備えよ」という意味です。将来に対するリスクを洗い出し、顕在化する前にリスクを低減できる部分に対策を打ち、リスクが顕在化した場合には、事前に立てた対策を講じて被害を最小化することです。
一番わかりやすいのが、不祥事事件です。何か不祥事事件があると、企業側は会見を開き謝罪しています。これらは現在ではほぼマニュアルができています。不祥事は起きないに越したことはないですが、不可抗力により生じる場合もあります。
その場合に被害を最小限に抑えるため、会社トップが最初に謝ってしまうわけです。もちろん、会社におけるリスクはたくさんあります。しかし、いざリスクが顕在化した場合には、その対応はどうしてもちぐはぐになってしまいます。
そして、対応が悪ければ下手をすると企業の存続に影響を与えてしまう場合もあります。そのため、リスクマネジメントは現在の企業経営には必要不可欠な要素となっているのです。
リスクヘッジ
一方で、リスクヘッジとは何でしょうか。リスクヘッジは、リスクを最低限に抑えるための対策といったほうがよいでしょう。では、リスクマネジメントとリスクヘッジも同じではないかということになります。
実はリスクヘッジはリスクを低減する方法論でしかありません。全体を管理するリスクマネジメントの一部分と考えればよいでしょう。
わかりやすい例ですが、営業マンが売上を立てるにあたって、発注を出すか微妙なとき、念のため、他の得意先から発注をもらえるように働きかけておく。この念のためという行動こそがリスクヘッジにあたります。
要するに、「リスクマネジメント」は全体のリスクを軽減するために対策を打つことです。「リスクヘッジ」はリスクマネジメントの一部でリスクを軽減するための方法論でしかありません。このように、似通った言葉でも意味合いは違ってきます。しっかりと理解し、ビジネスシーンで使用できるようにしましょう。
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