Excelでファイル保存をしようとした時、「リソース不足のため、このタスクを完了することができません」という表示が出ることがあり、焦ったことがある方もいらっしゃるでしょう。
今回は、Excelを使う人にとって厄介な「リソース不足の警告」が出る原因と、対処法について紹介します。
- Excelでリソース不足が起こる原因
- Excelでリソース不足になったときの対処法
そもそもExcel(エクセル)でいう「リソース」とは?
Excelでファイル保存をしようとした場合、「リソース不足」と出たら、「シートの内容が保存されないのかな!?」「まずどうしたらいいんだろう……」と焦ってしまいますよね。
そもそも、Excelで「リソース」とはどのような意味なのでしょうか。
広義でのリソースは「ソフトやハードの動作に必要なCPUの処理速度やメモリ容量、ハードディスクの容量」のことを指しています。
一方でExcelにおける「リソース」は、メモリ容量のことを指していることを覚えておきましょう。
Excel(エクセル)でリソース不足が起こる主な3つの原因
「Excelにメモリの容量があるの?」「容量はどこで確認できるの?」と思う方もいらっしゃるでしょう。
Excelでリソース不足が起こってしまう原因は様々ありますが、今回は主な3つの原因を紹介します。
当てはまっているものがないか、一つずつ確認していってください。
原因1.Excelのシート数、行数が多い
Excelでリソース不足になる1つ目の原因は、Excelのシート数や行数が多いことです。
単純に「メモリ容量が足りない」という場合には、Excelのシート数や行数などが多すぎることが考えられます。
1つのExcelブックのデータが大きすぎると、リソース不足となってしまうのです。
最新のバージョンでは、1,048,576行、16,384列が最大。1つのセルは最大32,767文字まで、ヘッダーやフッターの文字数は255文字までとなっています。
その他の条件や、バージョンごとの条件を確認したい場合は、以下の公式サイトから確認してみてください。
【公式】Excelの仕様と制限
原因2.使っていないデータが残っている
Excelでリソース不足になる2つ目の原因は、使っていないデータが残っていることです。
長い間Excelファイルを使用したり、ファイルを使いまわしたりするうちに、マクロやツールバー、書式などの使っていないデータが残ってしまうことがあります。
データ数は一見すると少ないように見えるかもしれませんが、意外にもメモリ容量を消費していることも。
特にデータ類を管理しているExcelの場合、データが追加されていって容量が多くなっている可能性もあります。
使っていないデータは削除をする、古いデータは別のファイルにわけておくなど、1つのファイルの容量を増やしすぎないような工夫をすることが重要です。
原因3.常駐ソフトが多い
Excelでリソース不足になる3つ目の原因は、常駐のソフトが多いことです。
PCを起動するときに自動的に起動するプログラム「常駐ソフト」が多い場合にも、リソース不足が生じることがあります。
Windowsの場合、スタートメニューのタスクバー右端に様々なアイコンが並んでいますが、これらがパソコン起動時に自動実行される常駐ソフトです。
常駐ソフトは、その一つひとつがリソースを消費するため、タスクバー端に大量のアイコンが並んでいるだけでパソコンの動作は重くなってしまいます。
リソース不足になったときは、ExcelだけでなくPC本体のほうにも原因がないかを考えてみましょう。
常駐ソフトが多くて容量をたくさん使っている場合、Excelだけでなく他のソフトの動作にも影響する可能性があります。常駐ソフトは必要最低限のものだけにすることがおすすめです。
Excel(エクセル)でリソース不足になったときの対処法
リソース不足になっている原因がわかれば、適切な対処法を試すことで解決しましょう。次に、5つの対処法を紹介します。
対処法1.Excel以外で使用していないソフトを閉じる
Excelでリソース不足になったときの1つ目の対処法は、使っていないソフトを閉じることです。
リソース不足は、常駐ソフトがたくさんあると起こりやすいと説明しました。タスクトレーに表示されているソフトのうち、使用していないソフトは整理して常駐ソフトから外し、PCの動作を軽くしておきましょう。
対処法2.Excelファイルを分割する
Excelでリソース不足になったときの2つ目の対処法は、ファイルを分割することです。
シート数や行数が多く、ファイル容量が多くなっている場合、Excelファイルを分割しましょう。特に、データをストックするためのシートの場合は、定期的にシートを分けるようにすることがおすすめです。
ブックのメモリ消費量を減らすよう工夫する習慣をつけておきましょう。
対処法3.Excelの仮想メモリを最大値に設定する
Excelでリソース不足になったときの3つ目の対処法は、仮想メモリを最大値に設定することです。
メモリ不足の場合はメモリ増設で対処できますが、比較的新しいパソコンだと、メモリ不足は起こりにくいもの。
しかし、Excelのリソース不足は仮想メモリ上で動くため、物理メモリの容量があってもリソース不足になることがあるのです。
その場合は「仮想メモリを最大値」に設定することで解決できることも。
仮想メモリの設定は、コントロールパネルからシステムの詳細設定にて行えます。以下の手順で仮想メモリ値を変更してみましょう。
- スタート>システム>システム情報>システムの情報詳細>詳細設定>パフォーマンスの設定>詳細設定>変更>
- Cドライブが見えない場合→「すべてのドライブのページングファイルサイズを自動的に管理する」のチェックを外して、ドライブを選択する
- リスト3
対処法4.Excelファイルの履歴に残っているデータを削除する
Excelでリソース不足になったときの4つ目の対処法は、ファイル履歴に残っているデータを削除することです。
ツールバーやマクロなどの追加を繰り返すと履歴が残り、ゴミデータがどんどん増えていくことがあります。
現在使っているシートを新しいブックにコピーして保存して解決する場合もありますが、ここではExcelの構成ファイルを初期化する際の方法を紹介します。
以下に紹介する方法を試すときは、「ブックの保護と共有」機能が有効になっているとエラーが起こるため、チェックを外す必要があるので注意しておきましょう
- 「C:DocumentsandSettings[ユーザー名]LocalSettingsTemp」の中の「*.emf」ファイルを削除→Excelでエラーを起こした時の残骸を消去
- 「C:UsersXXXXXAppDataRoamingMicrosoftExcelExcel14.xlb」の「*.xlb」ファイルを削除する→ツールバーなどの履歴データを消去
対処法5.PCの再起動、Officeを再インストールする
Excelでリソース不足になったときの5つ目の対処法は、PCの再起動、Officeを再インストールすることです。
パソコンに小さなバグが起きている場合は、PCを再起動させることで解決するケースがほとんどです。何かトラブルが起きている場合は、まずはPCを再起動して、解決できないか試してみましょう。
また、Excelのバージョンが古い場合はアップデートをしたり、Officeを再インストールしたりすることで解決できることもあります。少し手間がかかりますが、これまで紹介したことを試しても解決できない場合は、チャレンジしてみることもおすすめです。
ここまで紹介してきた対処法を試しても解決しない場合は、Excelファイルをリカバリーする他ありません。しかし、稀にハードディスクの損傷で異常が発生することもあるので、リカバリーしても解決できない場合は、ハードの損傷を調べてみましょう。
Excel(エクセル)を快適に使えるように環境を整えよう
- Excelのシート、パソコンの容量が多い場合はリソース不足が原因のことも
- 使っていないデータは消す、ファイルは分割する
Excelを使っているときに、リソース不足になったときには焦ってしまいますが、順番に対処法を試すことで解決できます。
リソース不足にならないように、普段からこまめにファイルやデータを整理しておくようにしましょう。
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