- 目次
- +社員の勤怠管理が困難
- +流動性の低下
最近、急速に導入が進んでいる新しい形のオフィススタイルが、フリーアドレス制のオフィスです。フリーアドレス制とは個人専用のデスクを用意せず、図書館や飲食店のように毎回好きな座席を、自由に選んで仕事をするオフィススタイル。
色々なメリットがあるフリーアドレス制のオフィスですが、残念ながら有効に活用できている企業の方が少ないというのが現実です。フリーアドレス制のオフィスは、なぜ失敗してしまうのでしょうか。今回は、フリーアドレス制での失敗する理由と改善策について解説します。
社員の勤怠管理が困難
フリーアドレス制のオフィスシステムには、個人専用のデスクが無いため従業員が席を外していても、分かりにくいという根本的な欠点があります。部下の勤怠管理は管理職の重要な仕事の一つですが、個人専用のデスクが無ければ従業員が席を外していたり、出社していなかったりしても気づくのが遅れてしまい、適正な勤怠管理ができなくなってしまうでしょう。
勤怠管理で求められるのは、どの従業員がどの座席で仕事をしているのか、という情報です。一日の初めに座席を選択した時に、どの座席で仕事をするのかを上司に申告させることを義務付け、上司が部下の所在を適切に管理できるような工夫をすると良いでしょう。
流動性の低下
フリーアドレス制のオフィスの導入目的の一つに、従業員間のコミュニケーションの促進があります。毎回違った座席で、違う従業員と隣同士で仕事をするようになれば、普段交流の内社員間の交流を促進することになり、職場の雰囲気をより良いものにしていくことができるでしょう。
この目的を達成するためには、部下が毎回違った座席で違う人と交流をする必要があります。しかし、ある企業でフリーアドレス制のオフィスを採用したところ、導入当初は従業員は毎回違った座席で仕事をしていたのですが、だんだんと選ぶ席が固定化されていってしまい、最終的にはほとんど毎回同じ席で仕事をするようになってしまいました。
席が固定化されてしまっては、フリーアドレス制のメリットを生かし、交流を促進することは不可能です。何とかしようとこの企業が採用した方法が「座席の抽選」です。
毎日座る席を従業員が自由に選ぶのではなく、くじによる抽選で決まった席で仕事をするようなルールを決めたところ、毎日の座席は当然毎回バラバラになり、当初の目的である社員同士のコミュニケーションの促進が達成されました。
フリーアドレス制のオフィスには失敗もありますが、問題点を理解した上で適切な工夫をすれば、問題点を乗り越えて大きなメリットを生み出すことが可能です。
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