会社のオフィスといえば、社員それぞれに専用の席が与えられて仕事に励むのが一般的ですが、最近流行している全く新しいオフィススタイルが「フリーアドレス制」と呼ばれるオフィススタイルです。フリーアドレス制とは、社員が自分専用の座席を持たず、図書館や飲食店のように、毎日好きな場所で仕事をするスタイルのことです。
フリーアドレス制には多くのメリットが存在しますが、同時にデメリットも存在します。今回は、フリーアドレス制のオフィスづくりで生じるデメリットについて解説します。
仕事の準備が面倒
フリーアドレス制のオフィスでは、従業員が仕事に使う道具をデスクに置いておくということができません。専用のデスクであれば、自分の好きに荷物や道具を置くことができますが、毎回座席が変わるフリーアドレス制のオフィスで同じ量の荷物や道具を使って仕事をしようとした場合、毎回大荷物を抱えて仕事の準備をしなければならず、仕事を開始するまでに時間と労力を使ってしまいます。
デスクワークと一口に言っても色々な種類があり、筆記用具やパソコンさえあれば仕事ができるような職種であれば、毎回座席が変わっても仕事の効率は落ちませんが、専用の機材や沢山の道具を必要とするような仕事の場合は、道具の管理が負担になってしまいフリーアドレス制のオフィスでは働きづらくなってしまうでしょう。
最低限の道具だけを持つようになるので整理整頓が捗るというメリットはありますが、仕事の内容によっては必ずしも整理整頓がいいとは限りません。専用のデスクを用意してそのスペースを個人の自由に使ったほうが、作業効率が良くなる場合もあるということを忘れないようにしましょう。
勤怠管理がしにくい
管理職にとって最も厄介なフリーアドレス制のオフィスのデメリットといえば、部下の勤怠管理がしにくいことです。従業員一人一人に専用のデスクが用意されていれば、デスクに誰もいなければ、その社員がいないことがすぐに把握できますが、座席が固定されていないフリーアドレス制のオフィスでは、誰が今オフィスにいて誰が席を外しているのかを掴むのが困難になってしまいます。
こっそりオフィスを抜け出してサボっていたとしても、上司はそもそも部下がその日にどの座席で仕事をしているのかを理解していなければ、部下のさぼりを発見することができません。部下の側にとっても、フリーアドレス制のオフィスは気軽に席を外すことに対する罪悪感が薄くなり、ついつい仕事をさぼりがちになってしまう、というデメリットがあります。
フリーアドレス制のオフィスは有効に活用すれば、企業にも従業員にも大きなメリットをもたらしますが、デメリットの可能性が潜んでいるスタイルでもあります。フリーアドレス制の導入を検討しているのであれば、メリットばかりに注目するのではなく、デメリットに対してもきちんと理解したうえで導入の可否を判断する必要があるでしょう。
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