最近はインセンティブ制度を取り入れる企業が増えています。すべての企業がインセンティブ制度を取り入れたことでメリットを得ているとは言えない状況です。
特に長年続いてきた給与体系を変更してインセンティブ制度を採用する場合、それまでの経験や企業風土が影響してインセンティブ制度がうまく機能しないケースがあります。
インセンティブ制度の導入に失敗した企業は、何が問題だったのでしょうか。今回は、企業がインセンティブ制度を取り入れることでの問題点について解説します。
1.インセンティブに関係のない仕事が適当になる
企業がインセンティブ制度を採用した場合、従業員はインセンティブ報酬を目的に成果を上げる努力を始めます。実はインセンティブの対象にならない業務に対しては消極的になってしまう問題点があります。
企業で仕事をする以上、備品の補充やちょっとした買い物など手の空いた人間がこなしていた仕事をやる人がいなくなります。結果として、業務効率の改善に悪影響を及ぼしてしまいます。
2.仕事のノウハウが共有されない
インセンティブ制度の下で働く従業員は、同じ職場で働く同僚であると同時に、仕事の成果を競い合うライバルでもあります。このような環境では、自分の利益を最大化するために最適な行動は、仕事のノウハウを周囲に共有しないことです。
仕事のノウハウを伝えて同僚の仕事が効率化された場合、自分の成果が減り報酬が減ってしまうからです。インセンティブ制度は、職場全体で仕事のノウハウを共有することが難しくなってしまいます。
3.職場の雰囲気が悪くなる
インセンティブ制度の採用された職場では、同僚は全てライバルです。同僚が何か困っていたとしても、積極的に助けようとする人間は表れず、職場の雰囲気は悪くなってしまいます。
助け合いや協力といった意識は、インセンティブ制度の下では排除したほうが個人的な利益が大きくなります。そのような職場では全体の雰囲気が悪くなってしまうのも当然と言えます。
インセンティブ制度を成功させるには、問題点を踏まえたうえで有効な対策をとることが重要です。対策に成功すれば企業の業務効率は改善され、労働者もより良い形で働くことが可能になります。
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