傍から見ると精力的に仕事をこなしているようには見えないけれど、思いもよらない提案をし、それを実行に移し、その結果にプラスアルファの効果をつけて事業を盛り上げる人はいませんか?
前例のないことに挑戦するのは、既存の仕事に追われるなどの理由で二の足を踏んでしまいがち。しかし、新しい企画を立てたからといって躍起になって仕事をしているようでもなく、まるで既存の仕事の合間に滑り込ませるように、新しい事業を起こし成功させているように見えます。戦略立案が得意な人は、日頃どのようなテクニックを使って仕事をしているのでしょうか。
「仮説・論証」をPDCAサイクルに組み込む
事業管理改善で行われるPDCAサイクルを、自分の思考法の参考にする人がいます。PDCAサイクルとは、一つの業務に対し「計画・実行・評価・改善」の4つの過程を行い、「改善」の結果を踏まえて「計画」を立てることにより、その事業をより良いものに改善しながら継続していく、という事業管理方法です。
この方法を自身の思考方法に応用し、「計画」を場合によっては「仮説」に、「実行」を「論証」に置き換え、仮説と論証を繰り返す、いわば頭の体操のようなことをしているのです。
大切なのはその後の「評価」です。論証はあくまで推論でしかないので、仮説から論証へのプロセスが、必ずしも一通りとは限りません。そこで友人や同僚との雑談の中で、もたらされる新たな視点を発見したり、自分の論証が妥当かどうかの精査をしていきます。
その結果を持って自分の論証を振り返り、また新たな仮説を立てるということを繰り返すのです。あくまでも頭の体操ですので、自分の専門分野・全く無知な分野を問わず、あらゆる事象で仮説と論証を繰り返すことによって、自分の知っていることと知らないことを改めて見つめ直します。それと同時に、新たな知見や視点を取り入れることができるため、多角的なモノの見方ができるようになるのです。
多角的な見方に俯瞰的な見方
多角的に物事を捉える、ということは既に多くの人がよく聞いていることでしょう。しかし、物事をあらゆる角度から見ているつもりでも、見ているものはある一つの事柄だけではありませんか?そこから派生するものごとや現象を含め、グループとして多角的に考える事は、非常に難易度の高い作業です。
その作業を容易にするのが「俯瞰的な視点」です。文字通り、鳥のように物事の全体を広い視野で捉えると、グループ全体が見渡せるため、物事の繋がりや関係性などに気づくことができます。
何気ない会話や会議の話題に耳を傾ける
戦略立案が得意な人は、実際の業務ではどのように活かしているのでしょうか。まず、会社全体のあらゆる業務について、現在の自分の業務とどう接点があるのか「仮説・論証」し、少しでも関連のあることと全く関連のないことに分類します。
日常の会話や会議などでも、自分の業務のどの部分と接点があるのか常日頃から「仮説・論証」していると、自分の業務を介しない他の業務同士の接点も見えてくるでしょう。
この他の業務同士に関しても「仮説・論証」を行い、結果が自分の業務にも影響があると判断すれば、その業務についても「仮説・論証」をします。会議などで挙がったちょっとした話題が頭の隅に残っていると、連想のように関連付けて企画などに反映させることができるのです。
考えることが一見多そうですが、「仮説・論証」は身についている人は多いため、時間はほとんどかかりません。このようにmあらゆる業務をつなぎ合わせるような考え方の訓練を、常日頃から行うことによって、戦略立案が容易となるのです。
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