- 目次
- +勤務態度の概念
- +勤務態度が解雇となる要件
使用者(企業)が労働者を解雇する際、その理由となるものの一つに、「勤務態度」があります。あまりに勤務態度が不良と思われる場合は、解雇の対象となり得るということです。では、勤務態度の概念とはどのようなものであり、それが解雇理由とされるということは何を意味するのでしょうか。
勤務態度の概念
勤務態度とは、その勤務において本来労働者が取るべき態度を意味します。そして、勤務態度が解雇理由になるということは、その態度が本来の態度ではなく「著しく不良である」ということになります。
その勤務態度の不良にも、様々なケースがあります。代表的なものでいうと、「遅刻や欠勤などが多い」「上司の言うことを聞かない」「周囲との協調性に欠ける」「仕事をしない」などです。あくまでも勤務態度の良し悪しは、そのときの状況で主観的に判断されるものであるということになります。
勤務態度が解雇となる要件
勤務態度は主観的なものですので、使用者(企業)がそれを解雇理由とするには、それが単なる企業論理で妥当としたわけではないことを証明する必要があります。そして、勤務態度の不良が正当な解雇理由と判断されるのは、以下のような場合です。
「就業規則の解雇理由に明記されている」
→「就業規則の解雇理由に抵触するほど勤務態度が著しく悪い」
→「上司などが再三にわたってその事実を話して改善を求める」
→「一定の期間(例えば3か月間)その勤務態度が改善されない」
→「書面などで態度不良が就業規則のどの項目に違反してるかを明示し改善を求める」
→「一定の期間(例えば3か月間)その勤務態度が改善されない」
→「書面などで今後の対応についての使用者(企業)の見解を伝え、改善を求める」
→「一定の期間(例えば3か月間)その勤務態度が改善されない」
このようなケースです。ここでは「一定の期間(例えば3か月間)その勤務態度が改善されない。」という状況が3回出てきています。 したがって、勤務態度が解雇の条件となるには「何度注意を受けても改善されない」状態であるということになります。勤務態度そのものというよりも、それが改善されないということが解雇理由となるということなのです。
また、使用者(企業)には勤務態度不良者がいた場合、まずはそれを改善させる義務があるということにもなります。そして改善させるために様々な努力をして記録し、それでも改善されないという場合に初めて勤務態度が解雇理由となります。
勤務態度が悪いから即解雇ということでは、使用者(企業)が解雇を濫用していると考えられます。また、注意や警告を行う場合も上司が一人で行うのではなく、会社として行うことも必要です。勤務態度は態度そのものというよりも、それを「繰り返すこと」を意味しているという認識を持ちましょう。
U-NOTEをフォローしておすすめ記事を購読しよう