解雇とは、労働者が自らの意思で退職するのではなく、企業が「使用者(企業)の判断で労働者を辞めさせる」ことを意味します。いわば一方的なものであるため、法律によって企業は自らの都合だけで労働者を解雇できないことになっています。しかし、中には企業が不当な理由で労働者を解雇するという例も存在します。 そこで今回は、企業にも労働者にも必要と思われる解雇の基礎知識として、「法律で正当とされる解雇条件」について考えてみたいと思います。
解雇条件
労働契約法
勝手な解雇はできないという解釈は、以下の法律がその根拠とされています。 労働契約法第十六条 「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」というものです。意味合いとしては、「一般的に誰が見ても妥当だと思われる解雇以外は無効である」ということです。
労働基準法
労働基準法第八十九条 「常時十人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない」という内容です。 ここでは、「退職に関する事項(解雇の事由を含む。)」の就業規則への記載が義務付けられています。常時十人以上の労働者を使用する企業は就業規則を作成し、その中に解雇する際の理由を明示しなければならないのです。
正当な解雇条件とは
以上の2つの法律から考えると、正当な解雇条件は以下のような状況に限られると言えます。 企業が就業規則で解雇に関する記載を行っており、かつその判断に客観性があり、一般的には誰が見ても妥当であると判断できるときだけです。よって、例えば「経営者がその労働者を好きではないから」、「ミスが多いから」などの理由では企業は労働者を解雇することはできません。これは社会的な力関係が、「企業>労働者」となっているためだと考えられます。このために労働者は法律によって保護されているのです。
解雇の基礎知識として、解雇する場合の条件は非常に厳しいのだということを認識しておきましょう。
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