一昔前ではあまりなじみの無いインセンティブシステムですが、近年その制度を導入する企業は増え続けている傾向にあります。また、大手転職コンサルタントが発表した転職を決めた理由ランキングによると、「給与に対する不満がある」と「会社の評価に不満がある」はベスト10にランクインしているのです。
転職者の多くがそう答えていることから、インセンティブシステムを導入することによって優秀な人材の流出を防げた可能性があったという事は明らかです。ここでは、インセンティブシステム取り入れると生じるメリット・デメリットを挙げていきます。
社員のモチベーションが向上する
「社員のモチベーションを上げる」ということが、インセンティブシステムを導入する最大の理由と言っていいでしょう。インセンティブシステムは、きちんと機能すれば社員の給料にも反映され、会社にも利益が上がるというwin-winの関係となります。
「あの人より仕事しているのに同じ給料は納得できない」「仕事量が減っても増えても給料は一律では苦労する甲斐がない」、このようなことを思っている社員が多数を占めているなら、インセンティブシステムを入れても問題はないでしょう。
営業職以外だと導入に莫大な手間が掛かる
成約数や契約販売数がひと目で分かる営業については、優秀な社員かどうかはすぐに分かります。しかし、問題は技術開発や事務職の場合は会社に対しての貢献がすぐに分からず、本当にいい働きをしたのか分かるには独自の判断基準を作らなければなりません。
その点を怠ると、貢献した人に満足な報酬が与えられず、あまり貢献していない人に過大な報酬を与えてしまったりと、インセンティブシステム導入して社員のモチベーション低下など悪い影響を起こしかねません。営業職以外でインセンティブシステムを導入する時は、慎重に慎重を重ねた上で導入を検討しましょう。
チームとしてまとまりづらくなる
営業の話になりますが、報酬は個人成績を元に還元されるので、協力するという考えがなくなります。なぜなら、他人の成績を上げても自分の報酬は上がらないと分かっているからです。
人間の心理は、自分の利益を下げるような行動を進んで取るようなことはしません。インセンティブシステムを導入するとそういったシビアな点が露骨に出てきますので、社員教育や知識共有化などは別途導入する必要があります。
こういう所を意識しておかないと、今は平凡でも将来的に優秀な人材になる可能性は低くなり長期的に見て損になる可能性があります。そこにもメリット・デメリットはありますが、インセンティブシステムはしっかり運用すれば会社に利益をもたらしてくれる存在です。ぜひ有効活用してみてください。
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