商品やサービスの価格は、販売数に直接的な影響を与えます。一般的には販売促進を目指す場合は価格を引き下げることになりますが、いくつかの方法で販売促進を達成することが可能です。
販売価格は、売上にどのような形で影響を与えるのでしょうか。今回は、価格設定で販売促進を行う方法について解説します。
特価品型価格設定
一部の商品の価格を、安く設定することによって広告効果を期待し、来店数を増加することで、その他の商品の売り上げ増を期待する販売促進的価格設定です。
スーパーのチラシでは「本日限り卵一パック98円」などという特価品をよく見かけますが、これはその商品単体で採算をとることは不可能な特価品であり、特価品目当てで来店した顧客がついでに、他の商品を購入してくれることを期待してつけられた価格です。
特価品は、それ単体では赤字になるような価格を設定したとしても、特価品の広告効果による売り上げ増で赤字分以上の売り上げの伸びが期待できるため、マーケティング戦略の一つとして採算度外視の価格設定を行います。その商品単体で売り上げを考えるのではなく、店舗全体の売り上げを伸ばしたいときに用いられる戦略です。
均一価格設定
すべての商品に均一の価格を設定することで顧客に割安感を感じさせ、販売促進を目指す価格設定です。この方法は、単純に価格を引き下げることではなく、異なる商品の価格を揃えて設定することに意味があります。異なる商品でも同一価格であれば計算がしやすくなりますし、ついで買いによる売り上げ増も期待できるのです。
また、顧客は値段が分かっているという安心感から購買意欲が増加するので、特に必要のない物でも思わず購入してしまうということもあります。価格を揃えておくことで商品のランクを揃えておく、という効果も期待できるでしょう。
お中元やお歳暮などのギフト商品は、具体的な商品内容もさることながら、予算に合わせて送る商品を選びます。このような場合では、商品の価格をいくつかに揃えておくことで、目的や相手によって価格を中心に商品を選択することが可能になり、あらかじめ決めておいた予算を第一に商品を購入することができるのです。
追加型価格設定
商品を複数購入すると、1個だけ購入する時よりも安い価格で販売するような価格設定のことを、追加型価格設定といいます。スーツ2着目半額、などという広告を見かけることがありますが、これは追加型価格設定による販売促進の典型例です。追加型価格設定を採用すると、商品の原価以外のコストを節約することで利益を上げることが可能になります。
商品にかかるコストとは、その商品の仕入れにかかるコスト以外に販売員の人件費や店舗の家賃、光熱費などが販売コストとして必要です。商品を複数購入してもらえれば、商品一戸当たりの販売コストを抑えることができるため、価格を下げても利益を確保することが可能になり、追加購入割引による販売促進が実現します。
販売価格は、売上を左右する最も大きな要因です。コストから販売価格を設定するのではなく、戦略的な価格設定を採用することで販売促進を実現することができます。
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