HOMEビジネス 【経営のマメ知識】\"解雇予告手当\"って一体何?経営者が「解雇予告」を行う際に知っておくべきこと

【経営のマメ知識】\"解雇予告手当\"って一体何?経営者が「解雇予告」を行う際に知っておくべきこと

Shingo Hirono

2014/05/09(最終更新日:2014/05/09)


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by Hyougushi
 経営者にとって、その事業を共に行ってくれる社員の存在は重要です。最初は少人数でスタートした会社も、徐々に軌道に乗った頃には、多くの人を採用するでしょう。

 いくら面接で吟味したつもりでも、採用してみなければ分からないことは実際あります。しかし、社員の生活を守るために経営者の選り好みでの解雇は出来ないよう、労働契約法第16条において「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」と定められています。

 そういった中でも会社の将来のために解雇が必要と判断した時には、どのような手続きが必要となるでしょうか。

解雇予告手当とは?

 ある日突然、今日付けでの解雇を宣告された社員は、生活に困窮してしまいます。そのため労働基準法第20条おいて「使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少なくとも三十日前にその予告をしなければならない。三十日前に予告をしない使用者は、三十日分以上の平均賃金を支払わなければならない。」と定められています。

 これはつまり、解雇しようとする社員に30日間の猶予を与えることで、再就職のための準備期間を確保し生活の困窮を防ぐことを目的としています。仮に半月後の解雇を本人に予告した場合には、すでに経過した半月分の解雇予告手当を支払うことが必要です。

 合法的な解雇であっても、懲戒解雇に該当しない限りは解雇予告手当が必要なので注意しましょう。仮に会社側が社員に非のある懲戒解雇を主張したとしても、所轄労働基準監督署長に「解雇予告の除外認定」を受けた場合しか、解雇予告手当の支払いを免れる術はありません。しかしながら、よほどの過失が社員側になければ認められないのが実情です。

解雇予告手当が不要な者もいる

 臨時的に雇われている社員については解雇予告手当は不要とされています。具体的には、

1. 日々雇入れられる者
2. 2ヶ月以内の期間を定めて使用される者
3. 季節的業務に4か月以内の期間を定めて使用される者
4. 試用期間中の者

 がその対象となっています。ただし、解雇予告手当の支払いを免れるために契約の形式のみを、このような形にする可能性もあることから、これらの臨時的な労働者が継続的な雇用関係となった場合には解雇予告手当が必要となるので注意が必要です。


 経営者には社員を解雇する解雇権は保証されていますが、その理由に納得がいかない社員が解雇権の濫用であるとして無効を訴えた場合には、不利であるのが実際のところです。解雇の際には社員ときちんと話し合い、双方納得の上で進めるようにしましょう。

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