企業組織を管理する上で、重要になるのが「業績」です。業績は企業の成果に対する客観的な評価であり、業績を見れば企業がどのような成果を挙げたのかを正確に知ることができます。
企業全体が挙げる成果のに注目が行きがちですが、企業の部門ごとの業績を見ることにも、重要な意味を持ちます。部門ごとの業績に注目することで、各部門の稼働状況を把握することができるようになり、客観的な評価軸から各部門を評価することができるでしょう。今回は、企業全体と部署ごとの「業績」のもつ意味と関連性について解説します。
1. 企業全体の業績
企業全体の業績とは、企業全体の損益計算書の結果であり、単位時間ごとに企業が挙げた利益のことを指します。ただし、広義の意味で使われる場合は単純な利益だけではなく、企業の社会貢献の実績や利益を計算する前の総売り上げ等も業績という表現で使われることもあります。
業績は企業の最終目的であり、業績のために企業があるといっても過言ではありません。業績が企業の能力を客観的に評価する物差しであるのと同時に、企業価値を判断する尺度でもあると言えるでしょう。
もし、企業全体の業績が悪化しているとしたら、何らかの方法で好転させる必要があります。企業努力とは業績を上げるために行われるすべての努力を意味するものであり、すべての企業活動の成果として表れる業績を改善する目的で行われるのです。業績をもっとも単純に表現すると「仕事の質×仕事の量」という式で表すことができます。
仕事の質を上げても量が減れば、業績は下がってしまいますし、質の低い仕事しかできないようであれば、どんなに仕事の量を増やしたとしても業績の伸びは小さい、という結果になってしまうでしょう。
2. 部署ごとの業績
部署ごとの業績とは、部署が達成した成果のことです。企業全体目指す利益に対して部署がどのように関わり、どのような成果を挙げたのか、というのが部署ごとの業績に相当します。
部署ごとの業績は、企業全体の業績における利益のように、必ずしも数字で客観的に表せるものを意味するとは限りません。販売部門や営業部門であれば、業績は明確な数字として結果が現れますが、人事部や総務部などは業績を客観的な数字から判断するのが困難な部署です。
数字による成果が表れない部署の業績を判断するためには、あらかじめ達成目標を評価基準として作成しておき、目標の進捗状況や達成度合いに応じて業績を評価する必要があります。また、通常業務を滞りなく進行させ、役割に応じた仕事をこなすこと自体が業績であると考えることもできるでしょう。
どんなに努力しても一定以上の成果が出ない仕事だとしても、企業運営には重要な意味を持つので、与えられた役割をきちんとこなすことが業績である、という評価を下すことで、部門で働く従業員のモチベーションをアップさせることができます。
それぞれの業績を、社員全員が納得する形で評価することができれば、高いモチベーションを維持しながら仕事を進めていくことができるでしょう。業績を正しく認識することが会社の価値を正しく評価することに繋がり、より良い働き方を実現することになるのです。
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