外出や出張に向かう上司に声をかける時、あなたは正しい敬語で送り出せていますか?
出張や外出をする相手になんとなく、「お気をつけて」や「行ってらっしゃい」との言葉をかけているかもしれませんが、実は、正しい使い方があるのです。
本記事では、どのような言葉で上司を送り出すのが正しいのか確認していきましょう。
- 目上の人を送り出すときは、「お気をつけて行ってらしゃいませ」
- 目上の人が帰ってきたときは、「お疲れ様でした」
- 「お気をつけて」を英語でいうと「Please be careful」
ビジネスで「気をつけて」は敬語でどういうの?
友達や家族を送り出す時、「気をつけて」と言うことが多いのではないでしょうか。
「気をつけて」を先輩や上司に言う際は、「お」をつけて「お気をつけて」と言うと丁寧な送り出しの言葉になります。
「お」は、昔皇帝に関する動作や物事に「御」をつけて尊敬の意味を与えたことから来ており、長い年月を経て日本では一般的な敬語となりました。
また、「お気をつけて」は気をつけて〜するといった動詞の部分を省いた言い方です。より丁寧に詳しく言いたい場合は、後ろに動詞をつけるようにしましょう。
目上に対する「お気をつけて」「行ってらっしゃい」の適切な伝え方
会社の上司が外出や出張に出る際は、部下として気持ちよく送り出したいですよね。
その際、適切な言葉遣いで送り出すことができれば、上司からの印象も良くなるでしょう。自信を持って声掛けをするためにも正しい言葉遣いを学んでおきましょう。
目上に対しては「お気をつけて行ってらっしゃいませ」が丁寧
外出や出張に行かれる上司にかける言葉として「お気をつけて」と言うことはとくに問題はありません。ここで間違えやすいのは「お気をつけて」に続く「行ってらっしゃい」という言葉です。
「行ってらっしゃい」という言葉を、上司などの目上の相手に使うのはあまり適切ではありません。
なぜなら「行ってらっしゃい」は丁寧語ではないからです。正しい丁寧な言葉は、「行ってらっしゃいませ」です。
そのため、外出や出張に行かれる上司に対しては「お気をつけて行ってらっしゃいませ」と伝えることが最も丁寧であると言えます。
外出や出張から帰ってきた上司にかける適切な言葉
外出や出張に行かれる上司に対しては、上記で紹介したように「お気をつけて行ってらっしゃいませ」が適切な言葉遣いとなります。
では、外出や出張からオフィスに帰ってきた上司にはどのような言葉をかけるべきでしょうか。
帰ってきた上司には「お疲れ様でした」と声をかける
外出や出張からオフィスに帰ってきた上司には、送り出した際と同様になにか一言伝えるようにしましょう。
このときに適切なのは「お疲れ様でした」というねぎらいの言葉です。「お疲れ様」は敬語ではないので先輩や上司に使う際には気をつけましょう。
また、帰ってきた上司に「お疲れさまでした」という際には必ず目と目をあわせて言うようにしましょう。どんなに尊敬語を話していても心から敬ってなければ、その言葉に意味はありません。
心を込めて「お疲れさまでした」と言われると、本当に疲れている時には、ものすごく心に響くものです。
出張・外出から帰ってきた上司にかける言葉
ここで注意しておきたいことが「ご苦労様です」という言葉です。
「ご苦労様」という言葉は目上の人が目下の相手に対して何かをねぎらう際に使う言葉です。「様」という漢字があるので、一見敬語のように感じてしまいますが、敬語ではないので上司や先輩に対して使わないように気をつけましょう。
クライアントへ「お気をつけて」はどう声をかけたらいいの?
では、クライアントへのねぎらいの言葉はどのようにすればいいでしょうか。
「お疲れさまでした」を社外の人に言うことは失礼であるという説もあります。
なので「お気をつけて」と言うほうがベターです。しかし前述の通り、「お気をつけて〜してください」の〜の部分に動詞を補うと更に言いたいことが相手に明確に伝わるのでよりよいでしょう。
ここからは、どのような動詞を補って、クライアントに声をかければいいのかを紹介していきます。
お気をつけてお越しください
クライアントが自社にいらっしゃるときに使いたい言葉が「お気をつけてお越しください」です。
この言葉は、何事もなく無事にこちらに到着していただけますようにという思いを込めた相手への気遣いの言葉です。
一見二重尊敬のように見え、誤っているのではないかと思う人もいるのではないでしょうか。しかし、「お気をつけてお越こしください」は、ふたつの単語を組み合わせてそれぞれを敬語にしているだけで、二重尊敬ではありません。
ちなみに、「お気をつけてお越しになられませ」は、お越しになるとなられるというふたつの尊敬語が同じ単語で使われているので二重尊敬語です。使わないようにしましょう。
お気をつけてお帰りください
クライアントがお帰りになるときに使いたいのが「お気をつけてお帰りください」です。
特に、雨が降っていたり、暗かったりする際に使うといいでしょう。
お体にお気をつけください
クライアントにしばらく会えない時使いたいのが「お体にお気をつけください」という言葉です。この言葉は、会えない間の無病息災を願う言葉です。
「お体にお気をつけてください」は間違いです。ただし、「お」をつけずに「気をつけてください」は正しい言い方になります。「食べてください」とは言いますが「お食べてください」とは言わないのと同様の理由です。
専門的な話になりますが、「お〜ください」と人に何かをお願いする時、〜に入る部分は動詞の連用型やそれに準ずるものが来なければなりません。よって「気をつける」という動詞の連用形は「気をつけ」なので、「お気をつけください」が正確な言葉です。
専門的な話しはさておき、「お気をつけてください」が誤用であることに注意してください。
「お気をつけて」を英語で伝える場合
「お気をつけて」を英語で伝えたい場合はどうしたらいいでしょうか。
「お気をつけて」と英語で言う時、はじめに出てくる単語は「careful」が多いでしょう。「be careful」で「気をつけて」ですが、もう少し丁寧に言うと「Please be careful」となります。
そもそも「お気をつけて」は日本の挨拶なのでそれにとらわれることなく、英語の別れの挨拶を伝えることもおすすめです。英語の別れの挨拶といえば、簡単なものなら「Have a good day」や「Take care of yourself」。難しいものなら「Take a safe trip back home」があります。
状況に応じて正しい言い方で伝えよう
- 「お気をつけていってらしゃいませ」「お疲れさまでした」など丁寧に言う
- 英語で言うなら「Please be careful」
- 言葉遣いだけでなく心からの相手への気遣いも忘れない
外出や出張から帰ってきた上司へのちょっとした言葉かけが、あなたへの評価を変えることも。
「適切な言葉遣い」を習得することで、相手とコミュニケーションをうまく取れるビジネスパーソンを目指しましょう。
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