終身雇用で、定年まで安泰で暮らせる時代はとっくに終わっています。しかしながら、親の世代を見ていて安心を求める若者も多く、野球選手やパイロットではなく公務員を志望する子供が増えているようです。これまで転職を繰り返したり職歴の業種などもバラバラで統一感がなく、自分のキャリアに不安を感じている人も多いです。
その時に「資格さえあれば転職に有利だったり開業も可能では」と考えてしまいがちですが、必ずしもそうではありません。
資格よりも実務経験が大事
「これまで働いてきたけれど特殊な技能を持っているわけでも資格もない、こんな自分にはもう年齢的にも次の仕事はないのではないか」そんな焦りや不安から、資格取得に向かう人がいます。それ自体は前向きで、必ずしも悪いことではありません。
しかし、これまでの経験とは全く畑違いの資格を選んだり、いわゆる士業などの難易度の高い資格さえ取れば安泰という考えは危険です。まず、その資格を取得するために仕事も辞めて昼間部の学校に通いながら目指す場合は、学費はもちろんのこと、受験勉強期間中の生活費で消耗し続けることになります。
大人になると、収入が途絶えるということは非常にストレスになります。どんなに努力しても合格できるという保証がない以上、その暮らしがいつまで続くかも分かりません。また、家族がいる場合にはその理解を得る必要があります。
○年間頑張ってダメなら諦める、という約束をしていたとします。しかし本当に努力してあともう少しという実感を感じた時に、諦めることが出来るでしょうか。この時には家族との間に溝が出来る可能性もあります。資格を取れば人生、一発逆転ホームランとなって万事うまくいくわけではありません。
資格を取ることを目的とせず、その先に何を目指すのかがなければ無意味です。そのことにエネルギーを割くよりは、どんな仕事であっても全うして「その仕事で何を得られたか、学んだか」を面接でアピールできることの方がよほど重要です。
資格を取るという言葉は免罪符ではない
本当にやりたいことがある人は毎日時間がいくらあっても足りず、充実感に満ちています。しかし、特にやりたいことも目指したいこともないけど、何かしていないと落ち着かないし家族への面目も立たない、こんな理由で資格を取ろうとする人もいるようです。
本当に欲しい資格ではなく、就職に有利と聞いたから。親に勧められたから。中途半端な気持ちでは取得までの道は遠くなるばかりではなく、取得しても宝の持ち腐れとなってしまいます。
単に、受験勉強をしていることで頼りない自分を認めて欲しいという現実逃避で勉強をすることはおすすめできません。そんな時はやみくもに動かずに、様々な本を読んで自分の方向性を見極めたり、外に出て色々な人に会って話を聞いたりしてはいかがでしょうか。資格は確かにアピールにはなりますが、なぜ取ろうとしようとしたかという理由が求められることを忘れずにしましょう。
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