近頃の若者は…という言葉を耳にする機会がよくあります。100年前にも言われていた「近頃の若者」という言葉ですが、人は自らの成長に伴って、つい自分も何年か前は「近頃の若者」だったという当たり前のことを忘れてしまいがちです。
新人として配置される部下や後輩社員が何となく仕事を頑張れない雰囲気にあるときには、自分が新人だった頃のことに少し思いを巡らせてみてはいかがでしょうか。あれこれ考えて、若者の考えていることは分からないと匙を投げるよりも、自分に置き換えて考えてみた方が、彼らに対するコーチングのヒントも見つかるはずです。
新人としての不安
新入社員の多くが、新しい場所への不安と期待を抱きながら新生活をスタートさせるでしょう。それは自分の下に入ってきた新人たちももちろん同じです。自分の居場所を構築して早く慣れたい、能力をつけて認めてもらいたいと考えながら、上司の指導を待っています。
新人として入ってきたということは、当然その中で一番「使えない」ということになります。この当たり前の事実を、一番受け入れたくないのは新人たちです。自分が「使えない」という当然のことを、周りが自分に対して思っているんだと新人たちが肌で感じてしまうようになると、自分の存在価値に対して悩み、仕事を頑張れないという負の連鎖がスタートしてしまいます。
新人が使えないのは当たり前です。そのことを理解した上で彼らを大切にし、不安を抱く彼らに対して「君がいないと職場は回らない」という思いで指導をしてあげましょう。
ゆとり世代の扱い方
ゆとり教育を経て育った平成生まれの新人たちは、競うことの少ない中で学生時代をすごしたため、のんびりした性格の人が多い印象を受けます。いい意味でも悪い意味でも、「ナンバーワンよりオンリーワン」思考が強いのです。運動会では順位を決めない、成績表も相対評価から絶対評価となった彼らに「ナンバーワン」になることの重要性を説くのは難しいように思います。
しかし、社会に出て仕事を持ち働くようになると、そうも言ってはいられません。そんな若者をどのように教育し、伸ばしていくかで会社の将来が決まります。平成生まれで新人の彼らは闘争心に欠けるかもしれませんが、独創性があって古いものにとらわれません。そんな彼らのやる気を引き出せば、これからの時代でも残っていくことのできる会社を作っていけるのではないでしょうか。
マイペースな新人にあわせた教育
物事の前提や全貌を知ってから末端である自分の仕事を進めたい人、やる気がない顔をしながら人一倍自分の能力に誇りを持っている人、知ったかぶりをしてしまって今更仕事について質問が出来ず、どうしようかと内心ビクついている人など、新人に限らず、様々な人があなたの周りにはいるはずです。
その際に気をつけたいのが、決して一緒くたにせず、一人一人に合わせた教育をすることです。そうすれば、あなたの周りに仕事を頑張れない新人は減っていくはずです。「使えない新人」なのではなく、「新人だから使えない」のです。
新人が使えないことは仕方のないことですが、そんな彼らを尊重し、新人の立場になって個人を見て育てていけば、きっと自分の評価にもつながり、より仕事もしやすくなるはずです。
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