ビジネスシーンでは、自身が担当する仕事内容を「業務」と表現します。では、「業務」は「作業」「仕事」とはどのような違いがあるのでしょうか。
本記事では、「業務」の意味や「業務・仕事・作業の相違点」を詳しく解説。あわせて、会社から与えられた作業をやりがいを感じる仕事にアップデートする秘訣もご紹介します。
- 「業務」「仕事」「作業」の意味や使い方
- 会社から与えられた「作業」を「仕事」に変える方法
「業務」「仕事」「作業」の違いとは?
同じ意味を持つ言葉のように感じますが、実は「業務」「仕事」「作業」の3つの言葉はそれぞれ異なる意味を持っています。
まずは、「業務」「仕事」「作業」の意味と使い方、3つの言葉の違いを確認していきましょう。
「業務」の意味・例文
まずは、「業務」の意味から確認しましょう。
【「業務」の意味】
日常継続して行われる職業上の仕事。
<「業務」の使用例>
- 営業時間終了後には、必ず業務日誌をつけている
- 本日の業務は自宅で行います
- 自分の業務と真摯に向き合います
「業務」は、継続して行う必要のある仕事内容を指す言葉です。ビジネスシーンにおいては「業務=会社から与えられた自分の仕事内容」と捉えられます。
「仕事」の意味・例文
次に、「仕事」の意味を確認しましょう。
【「仕事」の意味】
1.何かを作り出す、または、成し遂げるための行動。
2.生計を立てる手段として従事する事柄。職業。
3.したこと。行動の結果。業績。
4.悪事をしたり、たくらんだりすること。しわざ。所業。
5.針仕事の略。縫い物。裁縫。
6. 力学で、物体が外力の作用で移動したときの、移動方向への力の成分と移動距離との積。単位はエネルギーの単位ジュール、その他ワット秒・ワット時など。
上記のとおり「仕事」には複数の意味があり、職業の内容から力学用語まで幅広く使用されています。なお、「仕事」の「仕」の漢字は当て字です。
<「仕事」の使用例>
- 私の仕事は銀行員です
- 子どものことが心配で、仕事が手に付かない
「業務」が会社から与えられた仕事内容であるのに対して、「仕事」は目標を達成するために自らの意思で行う行動のことを指しています。
「作業」の意味・例文
最後に「作業」の意味についての確認しましょう。
【「作業」の意味】
仕事。一定の目的と計画のもとに、身体または知能を使ってする仕事。
<「仕事」の使用例>
- 作業報告書を作成する
- 作業は3時間ほどで終了する見込みです
- 私の祖父は毎日農作業に出ています
「作業」は、辞書に記されているように、身体や知能を使って具体的な成果や結果を出すことです。「業務」や「仕事」をより詳しく、細かく表現したものと認識できます。
- 業務:日常継続して行われる職業上の仕事
- 仕事:なにかを作り出すための行動・職業・業績など
- 作業:目的と計画のもとに、身体や知能を使って具体的な成果をだすこと
「業務」を遂行するための手段が「仕事」
「業務」「仕事」「作業」の意味や使い方には、細かな違いがあるとご紹介しました。では、「業務=会社から与えられた仕事内容」と捉えるのであれば、どのようなことを「仕事」だといえるのでしょうか。
次は、ビジネスシーンでの「仕事」と「業務」の定義を解説します。
業務は会社から与えられるもの、仕事は作り出すもの
「業務」は会社から与えられている自分の仕事内容を指す言葉ですが、「仕事」には業務を遂行するための手段という意味が含まれています。
つまり、「業務」は会社側から与えられた受動的なもの、「仕事」は自らの意思で考え出した能動的なもの。そして、自らが考え出した仕事を達成するための細かなプロセスが「作業」となるのです。
【「業務」と「仕事」の関連性】
STEP1.会社から「業務」を与えられる
STEP2.「業務」を達成できるように、自らの意思で「仕事」の内容を考え出す
STEP3.「仕事」を完遂させるために「作業」する
つまり、「自分がどう動けば、会社から与えられた業務を遂行することができるのか」と自問自答しながら、具体的な作業を行うことが「仕事」なのです。
いかなる仕事でも「クリエイティブな要素」を内包している
ビジネスパーソンとしてスキルアップしていくためには、自分のポテンシャル・知識・能力を高めていく必要があります。もちろん、会社から与えられた業務をこなせば給与は支払われますが、厳密にいうと、指示通りに業務を遂行するだけでは「仕事をした」とはいえません。
すべての仕事は、なにかを創造したり建設したりする「クリエイティブな要素」をはらんでいます。
自分が考え出したシステムによってクリエイティブに作業を行っていくことこそが「仕事」であると理解したうえで、仕事との向き合い方を考えてみましょう。
- 受動的に「業務」をこなすのをやめる
- 能動的に「仕事」に取り組んでいく
- クリエイティブな要素を感じながら、自ら効率的な作業プロセスを考える
「与えられた作業」を「仕事」に変えるには?
前述したように、会社から与えられた「業務」を「仕事」に変えるためには自ら効率的な創造する能動的な取り組みが必要です。
では、会社側から細かく「作業」の内容が指定されている場合には、どのように「仕事」にアップデートすればよいのでしょうか。
求められる以上の結果を出してこそ「仕事」といえる
会社側から作業内容が与えられている場合でも、自らで考え出す余地は十分残っています。求められている結果を超える成果を出し、自分の「仕事」をこなしていくことが重要なのです。
求められている以上の結果を出すためには、ます「指示された作業の見直し」から行いましょう。
「作業」と割り切らず、興味を持って取り組むことが重要
当初に与えられた作業工程を見直すことによって、与えられる業務や作業へのアプローチの仕方が変わる可能性があります。自分がもっとも効率的に「仕事」に取り組めるように、業務達成までの作業工程を改めて洗い出してみてください。
会社に与えられた作業に対してより効率的かつ興味を持って取り組みながら、「当初予定されていた成果+α(プラスアルファ)」で作業を完遂できるよう努めましょう。
作業フローで改善、効率化できるところはないのか
作業内容を見直す際は、改善できる部分や効率化できる部分を探してみましょう。改善すべきポイントは下記の3つです。作業フローを書き出してみて、意識的にチェックしてみてくださいね。
【作業フローの見直しポイント】
ポイント1.作業自体のメリットが薄く、機能性がないプロセス
ポイント2.再チェックや差戻しなど、無駄に工数が増えてしまうプロセス
ポイント3.待ち時間が長く、作業が停滞してしまうプロセス
上記のようなプロセスは、改善・効率化できる可能性が高いといえるでしょう。
プラスアルファの提案をする
周囲からの信頼を勝ち取り、「仕事」を自らのスキルアップに繋げるためには、本来与えられていた作業にプラスアルファを加えた提案をするように心掛けましょう。
プラスアルファに仕事をするためには、「ひとつひとつのプロセスの期限と役割を決めること」「完遂までのスケジュールを立てておくこと」が重要です。
フローチャートを導入して、期限・役割・明確なゴールを可視化しておきましょう。
フローチャートは、あるプロジェクトや作業の流れを図式化したもの。フローチャートで作業の手順と対応の選択肢などを視覚化すると、開始から終了までの流れが掴めて、段階的な作業手順を明示することが可能に...【フローチャートの作成ツール5選】意外と忘れがちな作成の基本をおさらい!
- 「作業」と思わず、自らが興味と関心を持って取り組む意欲
- 与えられた作業の見直しを行い、改善や効率化を進める
- 当初の作業内容にプラスアルファした、高いクオリティの成果を出す
業務遂行のために「作業」を「仕事」に変えていこう
- 業務=職業上の仕事
- 仕事=なにかを作り出すための行動・職業・業績
- 作業=身体や知能によって出た具体的な成果
- 「仕事」とは、求められている以上の業務を行うこと
- 与えられた「作業」を「仕事」にするためには、自ら改善と効率化を進めることが重要
似ているように思える「業務」「仕事」「作業」ですが、それぞれの正確な意味は異なります。与えられた業務に自分の考えを加えて創造することによって、はじめて「仕事」をしていることになるのです。
ビジネスパーソンとして高みを目指すためにも、会社から与えられた業務や作業を受動的にこなすのではなく、能動的に「仕事」と向き合っていきましょう。
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