仕事を並列処理することで、作業効率の改善を目指すために身につけておくべき能力が、マルチタスクです。マルチタスクが理想的な状態で実行された場合、すべての仕事は最適な状況で進めていくことが可能になり、時間を無駄にすることなくスケジュールを短縮しながら、仕事の質を引き上げることができるでしょう。
しかし、マルチタスクは万能ではありません。理論的には最適な部分もありますが、実際の仕事に応用するとなると、様々な問題が発生してしまい、すぐに管理の限界にぶち当たってしまいます。マルチタスクには、一体どのような問題があるのでしょうか。今回は、仕事上のマルチタスクの管理の限界とアドバイスを紹介します。
切り替えの効率が悪い
マルチタスクでは、仕事を適時切り替えながら進めていくことで時間のロスを防ぎ、最適な効率で仕事を進めていくことが可能であるとされています。しかし、実際に仕事の切り替えをする場合は、必ずしも効率が改善されるとは言えません。
人間の脳は、いきなり全力で活動するような使い方はできません。仕事を切り替えることはできたとしても、新しい仕事にいきなり全力で取りかかることはできず、最高のパフォーマンスに達するには、ある程度の時間がかかってしまいます。
どんな仕事でも常に一定のペースで処理できればいいのですが、そのような能力を持つ人間は存在しません。マルチタスクは、人間のパフォーマンスが常に一定であるという仮定の上に成り立っている理論であり、現実モデルに応用する場合は能力の限界という問題が生じてしまいます。
切り替えが上手くいく場合は、これ以上同じ仕事を続けていても仕事が進まない、という確信がある場合のみです。明らかに仕事が停滞しているときには、別の仕事に切り替えて仕切り直した方が進行スピードも上がり、効率も改善されるでしょう。
混同によるミスが増える
マルチタスクで仕事を並列に処理しようとすると、同時に進行している複数の仕事を混ぜてしまうため、ミスが発生する確率が高くなります。Aという企画とBという企画をマルチタスクで処理する場合、AのクライアントにBの企画内容を伝えてしまったり、Bの企画をAの条件で立案してしまったり、というようなミスは、マルチタスクをやったことが無い人でも十分共感できるのではないでしょうか。
マルチタスクは、仕事の切り分けが完璧にできなければ成立しません。似たような仕事を同時に進めるのは非常に難しいことですので、まったく共通点のない仕事や混同する恐れの低い仕事を並列処理するようにしないと、ミスが増え、かえって効率が悪化してしまいかねません。
マルチタスクには一定の限界も存在しますが、問題点をきちんと理解したうえで活用すれば有効なスキルです。どのような問題点があり、どのような対策があるのかを学び、マルチタスクを最大限活用してください。
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