「これからの人材に求めるのはリーダーシップだ」という声をよく耳にしますが、リーダーシップが具体的にどういったものを指すかについては、人によって認識が大きく異なります。組織を率いていくのに必要なのがリーダーシップと定義することは可能ですが、どのように組織を率いていくのかによってリーダーもいくつかのタイプに分かけることができます。
1.アイドル型リーダーシップ
その人が持っている魅力を利用して組織を率いていくのが、 アイドル型リーダーシップです。アイドル型リーダーシップを持つリーダーの周りには、その人の持つ魅力に惹かれて多くの人が集まり、リーダーを盛り立てながら組織活動を行っていきます。
アイドル型リーダーシップを持つ有名人としては、古代中国の項羽や長嶋茂雄巨人軍終身名誉監督が挙げられます。彼らは指導力や政治力を超えた人間的魅力によって多くの優秀な部下に慕われ、組織活動において結果を出したアイドル型リーダーシップの典型です。
個人の技術や能力を超えたリーダーシップなので生まれつきの人柄が大きく関わり、後天的に身に着けるのが難しい天才型リーダーシップといえます。
2.武将型リーダーシップ
類い稀なる実力を持って実績を上げることで周囲の信頼を勝ち取るタイプのリーダーシップを武将型リーダーシップと呼びます。
武将型リーダーシップで求められるのは実績です。どんなに人間的に問題があるリーダーでも、実績さえあげてしまえば優秀なリーダーということになりますから、武将型リーダーシップは人柄やよりも実績が重要になります。武将型リーダーシップの典型が織田信長です。彼はうつけと呼ばれていましたが、高い先見性とたぐいまれなる戦争の実力によって実績を上げ、周囲に有無を言わせないほどの強力なリーダーシップを身に着けました。
武将型リーダーシップの弱点は、一度の失敗が転落のきっかけになりえることです。部下を支配するように管理しがちなため反感を買いやすく、常に部下の動向に注意しておく必要があります。
3.学者型リーダーシップ
優れた論理で人を説得し、組織に引き入れていくのが、学者型リーダーシップを持ったリーダーです。学者型リーダーシップでは、論理の正確性や具体的な方法を提示することで部下を納得させながら組織を運営していきます。
学者型リーダーシップの持ち主は、人を説得したりするのは上手ですが感情の動きに鈍感で、部下の気持ちを思いやることが苦手です。また、マニュアル作りなど組織運営を体系化して誰でもできるようにするのは得意ですが、自分が前面に出ることを好まないので黒幕的な活動で組織を運営しようとします。
リーダーの顔が見えないことで組織の構成員が不安に感じることもありますが、堅実な運営で改善を積み重ねながら組織をより良い方向に導いていくことを得意にしています。
リーダーシップによってそれぞれ特徴があり、向き不向きもあれば部下の管理方法にも差が出ます。どのタイプが優れているということではなく、それぞれの特徴をふまえておくことが組織活動を円滑にする秘訣になります。
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