チームリーダーやセクションの責任者にとって、メンバーや部下の悩みへの対応は重要な仕事の一つです。メンバーや部下から悩みを打ち明けられたり、相談を受けたとき、その対応法を誤まると、その人の悩みはさらに深刻化し、仕事は停滞、結果として部署全体に悪い影響を及ぼしてしまいます。
逆に、上手に対処することができれば、仕事の生産性は上がり、部下からの信頼を得ることもできるのです。では、「仕事がうまくいかない」と悩んでいる部下には、どういう言葉をかければいいのでしょうか。
根拠のない「大丈夫」はマイナスにしかならない
「仕事がうまくいかない」と相談されたときに、使ってはいけないのが「だいじょうぶ」とか「君ならできる」といった、根拠のない無責任な慰めの言葉です。相談した部下は「それがうまくできていないから、悩んで相談しているのに」と感じるでしょう。もしかしたら、相談したことを後悔するかもしれません。「あの上司に悩みの相談をしても無駄」という評価に結びついてしまうのです。
「仕事がうまくいかない」と打ち明けられたら、まずはじっくりヒアリングする必要があります。その「うまくいかない」というのは、仕事上のどういうところなのか、具体的に説明させましょう。「なにもかもがうまくいかない」という答えが返ってくることもありえます。その際も、仕事に関する1つ1つのマターについて、突っ込んだ質問をし、説明を求めるのです。
かけるべき言葉~「悩んでいる」ということ自体を評価する
さて、そうしたヒアリングをした上で適切なアドバイスを考えるわけですが、その時に有効な「かけるべき言葉」があります。それは、「悩んでいる」ということ自体を評価する言葉です。例を紹介します。
「君がそこまで仕事のことを真剣に考えていることを知って、私はうれしい。『仕事がうまくいかない』という悩みはつまり、君の仕事に対するモチベーションの高さの証しだ。仕事がうまくいかなくても『ま、しょうがない』で済ませてしまう人が少なくない。中には、周囲から見ればうまくいっていないのにも関わらず、本人にその自覚がない、というケースもある。そうした人たちは、仕事がうまくいっていなくても、悩むということはしない。悩まなければ、成長もしないわけだ。その点、君はきちんと自己評価し、『うまくいっていない』と認識している。そして、それについて悩んでいる。これは大変素晴らしいことだと思う。その真摯さを、これからも忘れないで、仕事をしてほしい。ところで、その悩みをどうやったら解消できるか、一緒に考えてみよう」
これがおすすめの、悩める部下にかけるべき言葉です。
部下がその悩みを克服することができれば、大きく成長するでしょう。悩みをもった部下が相談してくるというのは、部下を成長させ、自分との信頼感を築くための大きなチャンスと考えるべきです。
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