仕事の質を引き上げるための方法として、上司のフィードバックを利用する方法がある。「結果を分析して原因側に反映させることを通じて原因側を改める」という意図のあるフィードバック。
部下の仕事に対して上司がフィードバックを返すことで仕事の質を高めながら効率を改善していくことができる。
今回は、仕事で上司にフィードバックを求めることでのメリットと、フィードバックをする際のポイントについて解説したい。
フィードバックとは?
フィードバックとは、相手の状態をこちらがどのように認識し、評価しているのかを伝える行為のことだ。
これをこまめにしていれば、今後問題となりそうな行動を早期に発見・指摘することができ、大事になるのを未然に防ぐことができる。
上司がフィードバックを行うメリット
また、フィードバックをすることで「日頃から自分のことを見てくれている」という安心感も与えられるため、相手がのびのびと働きやすくなることも多い。
フィードバックの対象は部下や取引先など様々だが、目的のために力を合わせて活動する「協働」が意識されつつある今日において、欠かせないスキルと言っていいだろう。
フィードバックをするときのポイント
必要なのは「事実」と「具体性」
フィードバックをする上で押さえておきたい2つのポイント、それは「事実」に基づくことと「具体的」に伝えることだ。
当然のことだと思われるかもしれないが、この2つができていない人は意外に多い。
フィードバックをするときのポイント①:フィードバックに推測を入れるな
「フィードバックをすることで、相手のモチベーションを高めたい」と思っている人がしがちなミスが、「相手の行動を推測して褒めること」。
確かに、修正すべき点ばかりでなく、よくできている点を褒めることはモチベーションアップに有効だ。
しかし、推測は当然外れることもある。
推測が外れていた場合、自分がしていないことを褒められてもいい気はしない。
それどころか、「この人は仕事を任せた相手に関心がないんだな」とマイナスの印象を持たれてしまう可能性がある。
相手の仕事ぶりを自分の目で確認し、賞賛も指摘も事実に基づいて行うべきだ。
フィードバックをするときのポイント②:指摘をするときは具体的に
もう1つのポイント、「具体的に」は、主に指摘をするときに心がけたいことだ。
相手が指摘された内容をきちんと理解するためには、どこがどのように問題があるのか、それを改善するためには何が必要なのかについて、具体的に説明するよう意識しなければならない。
「このくらい伝えればわかってくれるだろう」という考えは捨て、相手もわかる言葉で具体的に伝えることが必要だ。
このとき、自分の中でビジョンが掴みきれていないことについては上手く言葉にすることができない。
丁寧にフィードバックをすることは、相手を育てるだけでなく、自分の目的を再確認することにも繋がるはずだ。
上司にフィードバックを求める3つのメリット
上司にフィードバックを求めるメリット①:問題点が明確になる
部下の仕事の成果が芳しくない場合、問題点を見つけ出すことが仕事の改善につながる重要な作業になる。
部下自身が問題点に気づくことができれば良いが、結果から問題点を見つけ出す作業を一人で行うのは難しいもの。
部下が上司にフィードバックを求めることで、上司の経験に基づいたアドバイスをもらうことができる。
気づいた点や問題がありそうなポイントを指摘してもらうことができれば、問題点を発見するための有力なヒントになるはずだ。
上司にフィードバックを求めることで、部下一人では達成困難な問題点発見という課題を解決するためのヒントが手に入る。
単に解決方法を教えるのではなく、有力なヒントとなるアドバイスを渡すことで、部下の成長を促しながら課題を解決することが可能になるのだ。
上司にフィードバックを求めるメリット②:ミスの防止
上司のフィードバックは、一種のチェック機関の役割を果たす。
部下自身が仕事に潜むミスに気づいていないまま仕事を進めてしまうと、後で取り返しのつかない事態を招いてしまいかねない。
仕事のプロセスに上司にフィードバックを挟むことで、適時仕事にチェックが入ることになり、部下が気付いていないミスを上司が指摘することができるようになる。
また、上司が直接ミスの指摘をすることで、部下自身もミスの起こりやすい場所やミスの発見方法を学ぶことが可能になり、今後のミスを防止する効果も生まれるのだ。
フィードバックを通じて現在のミスを取り除くと同時に、部下のスキルアップを実現して将来のミスの予防にもつながるのである。
上司にフィードバックを求めるメリット③:仕事の質を高める
仕事で上司にフィードバックを求めることで仕事の質が上がり、より良い仕事へと改善される効果が生まれる。
部下が仕事を完成させたとしても、その結果が必ずしも理想的なものとは限らない。
そんなときに上司のフィードバックを活用することで、改善点や改良点が明確になり、より仕事の質を高めることができる。
仕事のどこに改善の余地があるのかというのは、自身を持って仕事をしている本人はなかなか気づかないもの。
上司が一歩離れた立場から仕事を見つめることで、冷静に質を判断する工程が加わり、仕事の質をより高める工夫が生まれるのだ。
上司にフィードバックを求めることは、自らの仕事を客観的な目で評価してもらうという作業でもある。
冷静な上司の目を通じてチェックすることでさまざまな問題点や改善点を発見することが可能になるのだ。
一度で完璧な仕事をこなせる人は、そうそういない。
上司からのフィードバックを通じて改善を重ねることで仕事を仕上げていけば良いのだ。どんどん上司に相談して、仕事の質を高める努力を重ねてもらいたい。
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