市場調査には、様々な種類の調査があります。そして、市場調査を行う担当者はその数ある調査方法の中から適切なものを選択し効率よく実行していく責務があります。 ここでは、市場調査の進め方の基本として押さえておきたいポイントについて述べていきます。
市場調査にある2つの「型」
市場調査はただ単に行えばよいというものではありません。まずは目的が明確化され、「何を調査したいのか」という指針がなければスタートできません。そしてその際に知っておきたいポイントの1つ目は、市場調査には「型」があるということです。その型には2つのタイプがあります。
・現状調査型
現状調査型は自社を含む社会環境や業界環境、消費者環境を把握するために行われる調査です。道端でカウンターを持って行う交通量調査や、テレビ局などで行われる内閣支持率調査などはこれに該当します。そして、この現状調査型は政府や公共機関、メディアなどから公表されるものも多数あります。
・仮説検証型
仮説検証型は、現状調査を基に立てた「仮説」が正しいかどうかを判断する調査です。狭義での市場調査の意味はこの型のことを指しています。仮説検証型の市場調査は、現状調査型と違って分析結果を「主観的」に捉えてしまう可能性のある難しい調査です。しかしこの仮説検証型の調査こそが、その後のマーケティングに大きな影響を与えるものであり、市場調査の神髄とも言えるものです。
市場調査で得られる2つの「事実」
ポイントの2つ目は、市場調査を行った結果として得られるものは、結果としての「事実」であるということです。そしてその事実にも2つのタイプがあります。
・表面化した事実
表面化した事実とは、市場調査にそのまま表れている事実です。有名なものとしては、POSデータの分析でわかった「ビールとおむつは一緒に買われることが多い」というものがあります。これは調査をした結果、表面化した事実です。
・表面化していない事実
表面化していない事実とは、市場調査結果を分析して初めて導き出すことができる事実のことです。先ほどのPOSデータでいうと「ビールとおむつは一緒に買われることが多い」→「実はおむつは父親がおつかいでビールと一緒に買っているケースが多い」→「母親は「お使いメモ」のようなものを使って父親におつかいを頼んでいるのではないか?」と考えることです。市場調査を行う本当の目的はこの表面化していない事実を炙り出すことと言ってもいいかもしれません。
市場調査を進めるにあたっては、まずは上記のポイントを理解しておきましょう。そのことで、状況によってどの型を使ってどんな事実を発見したいのかが見えてきます。
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