パーチェスファネルとは、日本語で言うと「漏斗」です。液体を口の狭い瓶などに入れる際に使う、上が広く下が細くなっている器具のことを指します。そしてこれがマーケティングでも使用されています。ではマーケティングで使う「パーチェスファネル」とは一体どういった意味なのでしょうか?
1. マーケティングにおけるパーチェスファネルの意味
パーチェスファネルとは、消費者が「注目」してから「購入」に至るまでには多数の脱落者がいるため、その脱落者を最小限にしようという観点から考え出された概念です。最初にたくさんの消費者が注目をしたとしても、その全員が購入するというわけではなく、どこかで興味を失って購入をやめるというパターンのほうが多いでしょう。それを形状で表現したのがパーチェスファネルです。
一番上の最も広がっている部分が「注目」、一番下の最も狭い部分が「購入」です。そして途中の細くなるところに脱落者がいると考えます。よってパーチェスファネルでは、一番下の最も狭い部分を広げるためにどうしたらよいか?ということが最大の論点となります。
そして、このパーチェスファネルの考え方は、AIDMAモデルと関連づけて考えられることが多くなっています。消費者行動をAttention(注目)→Interest(関心)→Desire(欲求)→Memory(記憶)→Action(行動)に分解し、最後のAction(行動)に至るまでの過程のどこで消費者が脱落しているかを分析するのです。
例えば、Attention(注目)が弱いとなると、最初の入り口が狭いということになり、入り口を広げるために広告など認知度を高めることに力を入れます。Desire(欲求)で脱落しているとすると、関心を欲求に高めるためのイメージ戦略や固有の付加価値の宣伝などを行って脱落者を最小限にします。このように、消費者行動を分類して、漏斗の最後の狭い部分をできるだけ広げようというのがパーチェスファネルの考え方です。
2. 連続するパーチェスファネルとインフルエンスファネル
そして現在のマーケティングでは、このパーチェスファネルをただの漏斗ではなく、連続したものにするという考え方が主流になりつつあります。消費者は「注目」してから「購入」するまでに脱落者がいることで数が減少し、その後その少数になった購入者が口コミすることよって拡散し、共有されてまた「注目」が増えるということです。砂時計が複数つながっているというイメージを持つと良いでしょう。
そしてその「購入者が口コミすることよって拡散し、共有される」という過程をインフルエンスファネルと呼び、漏斗を逆にした形状になります。パーチェスファネルとインフルエンスファネルを繰り返すことで、徐々に最も細い部分を太くしようという考え方です。この考え方はダブルファネルとも呼ばれています。
AIDMAがAISCASやSIPSなどに変化しているように、パーチェスファネルもインターネット、特に口コミの存在によって変化しているということになります。パーチェスファネルの概念を知り、マーケティングに活用していきましょう。
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