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アメリカはどこが違う?ヒット商品の共通点から考察する「売れる商品」の法則

Shingo Hirono

2014/05/03(最終更新日:2014/05/03)


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by Hamed Saber
 世界にはまだ日本で紹介されていないヒット商品が沢山あります。その中でも特にヒット商品が多いのが、世界一の消費者大国アメリカです。アメリカには、ありとあらゆるジャンルのヒット商品がありますが、それらのヒット商品にはいくつかの共通点が存在します。

 ヒット商品の共通点を見つけ出すことができれば、ヒットの法則を発見することができるので、ヒット商品の共通点を学んで商品開発に役立ててください。今回は、アメリカのヒット商品から考える「売れる商品」の共通点について解説します。

プロの仕事を家庭に

 アメリカのヒット商品に共通してみられる特徴が「プロの品質を家庭で再現する」というコンセプトです。アメリカのように成熟した消費社会では、単に価格が低いだけでは市場での競争力を獲得することができません。成熟したマーケットにおいてリーダーシップを持つのは目の肥えた消費者であり、目の肥えた消費者ほど価格の低い製品には目もくれません。

 「プロの品質を家庭で再現する」というコンセプトは、プロ並みの性能を持った商品を一般家庭向けに販売するということ。もちろんそのままの形で販売することはできないので、サイズやキャパシティには手が加えられますが、基本的な性能がプロ仕様のものと遜色がないほど、マーケットに好意的に受け止められる商品になります。

 ここで注目しなければならないのが「価格は競争力に影響しない」という点です。従来のマーケティングであれば価格が安いほど競争力を持つことになりますが、性能の良い商品の場合は高い価格を支払ってでも購入しようと消費者は考えるため、従来の商品より価格が上昇していても商品は高い売れ行きを示すことになります。

 プロ仕様の道具を家庭用に再現するというのは、技術開発のコストが低く商品開発のコストを抑えることにもつながります。すでにある技術を流用できるので、開発期間の短縮にもつながるでしょう。

小さな苦労で大きな成果

 アメリカで消費者に人気のあるヒット商品には「小さな苦労で大きな成果が得られる」という特徴があります。これは商品開発の基本である改善型の消費開発によって、開発された商品の特徴であり、顧客の持つ欲求を解消するという基本に忠実な形の商品開発になります。

 誰でも苦労が少なく、大きな成果が得られた方がうれしいのは当たり前ですが、単純な性能アップだけではなく、違う分野からの技術導入や設計思想の進歩などで開発された商品は、従来とは違った形の商品でありながら苦労なく大きな成果を得ることができるでしょう。この特徴のもっとも優れている点は、裕福な消費者にとって最も貴重な財産である「時間」を節約できる点にあります。

 どんな金持ちでも、時間を金で買うことはできません。しかし、小さな苦労で大きな成果を使用すれば、貴重な時間を浪費することなく成果を得ることができます。小さな苦労で大きな成果が得られる商品は、時間を貴重な資産と考える富裕層向けに強い訴求力を持つ商品になるでしょう。


 アメリカのヒット商品は、綿密なマーケティングとリサーチに基づいて開発されている商品です。その商品の特徴を学ぶことで商品開発へのアプローチの可能性が広がり、新たなヒット商品のコンセプトが浮かび上がるでしょう。

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