「マニュアルは作成したけど、結局誰も見ていない」「マニュアルはあるけど、見てもよく分からず業務がすぐボトルネックにつっかかる」そのままでは、せっかく手間と時間を割いてマニュアル作成をした甲斐もないし、仕事のクオリティを一定のライン上に引き上げるというマニュアルの役目を果たせていません。
どうせ作るのなら「ただあるだけ」のマニュアルではなく、仕事の流れをスムーズかつ快適にするようなマニュアル作成をしましょう。
業務の全体像を3秒で掴ませる
全くまっさらな状態からマニュアルを手に仕事に臨む人は、まずはじめに業務の全体像がしっかり見えていないと、すぐ分からなくなってしまいます。そうさせない為にも、まずマニュアルの最初には、何も知らない人がパッと見ただけで「こういう事をするんだな」と一発で分かるような業務の全体像を示すチャプターを設けましょう。
その際、理想は「3秒で理解できること」です。長々と文章で書くのではなく、概念図やフローチャート・模式図・工程表などを活用して、視覚的に飛び込んでくるような形で作るのがポイントです。
こうすることによって、この先の作業で迷った時にも最初のチャプターに戻れば「今、どの辺りにいるのか」がすぐ分かり、迷子になるのを防ぐことができます。またマニュアル作成者にとっても、最初にこの全体像のチャプターを作っておくことで、この先の編集方針が明確になって内容の抜けなども防止する事が出来ます。
各タスクの構成は「できる事→そのやり方」
業務の全体像を掴ませたら、次は各論に当たる一つ一つのタスクのマニュアルを作成しましょう。ここでのポイントは、「まず結論ありき」です。「1、システムを立ち上げて…」などと細かい作業内容を列記していく前に、必ず「このタスクで最終的にどうなるのか」を簡潔に示しておくことが重要です。なぜなら、その作業をした結果どうなるのかを知らずに読んでいくのと、結果を踏まえて読んでいくのでは理解度に大きな差が出るからです。
キーワードの統一を図る
スムーズに仕事を進めるマニュアルを作成するためには、細かい部分にも気を配る必要があります。その中で意外と重要なのが「キーワードの統一」です。
例えば、カーソルをあるアイコンにポイントする事を「カーソルをアイコンの上に置いて」「矢印をアイコンに乗せて」「マウスでアイコンをタッチして」などと頻繁に言いかえてしまうと、場合によってはそれが何を指すのか意味が分からなくなってしまい、その部分で作業の流れがストップしてしまいます。
それだけならまだしも、別の言葉と意味を混同してしまうような言い方だと操作や処理を誤ってミスを誘発してしまう原因にもなります。そう言ったことが無いようにするためにも、頻繁に登場するキーワードとも言える言葉は表記を統一し、すっきりとシステマティックで分かりやすい文面にしましょう。
使いやすいマニュアルの極意は、なによりシンプルであることが重視されます。家電製品のマニュアルがそうであるように、実用的なマニュアルは極力薄く無駄をそぎ落として作られているものです。
シンプル構成のマニュアルであれば、改訂して長く運用することも比較的簡単です。「開いた、見た、分かった」くらいのユーザーフレンドリーなマニュアルを作って、ストレスフリーな業務の効率化を目指しましょう。
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