新入社員の人は、研修などもひと段落して、これから本格的に業務に入る頃かもしれない。
その中で、今まであまり聞き慣れていない言葉にも遭遇することだろう。
学生の頃はあまり意識して使っていなかった言葉も、会社では大きな意味の違いが存在する。
「提案」と「要望」もそのひとつだ。それぞれどう違うのか紹介したい。
「こうしてくれませんか?」の要望
「要望」の意味とは?
まずはわかりやすい「要望」から見ていこう。
要望は、私側(自分や自社)から、あなた側(相手方や他社)に、「これをしてほしい」と強くお願いを出すこと。
つまり、こちらが望んでいることを伝えて、改善の要求をすることである。
たとえば改善だとすれば、その改善の方法や関係者への調整など、改善に至るまでの作業は、向こう側が担うことになる。
つ要望は、こちら側がお願いだけ述べて、向こう側がそのために動くという構図だ。
この時、メリットがもたらされるのは、いうまでもなく、こちら側となる。
よく、市民が市長宛てに何かしらの「要望書」を出す、ということがあるが、その形のことだ。
「こうしませんか?」の提案書
「提案」の意味とは?
一方の提案は、こちら側(自分や自社)から、相手側(取引先・他社)に、「こうしませんか?」とアイデアを投げかけるもの。
つまり、こちら側が向こう側が持っている課題の改善策を相手に伝えることをいう。
そしてもしその提案が受け入れられれば、それを実施するのは基本的にはこちら側となるのだ。
つまり提案は、こちら側が改善策のアイデアを述べて、相手側がそのために動くお金や許可を与え、こちら側が動くという構図になる。
会社などで作る企画書は、提案の形を取ることが多いだろう。
WIN‐WINが成立することが「提案」の必須条件
「提案」の注意点!
さて提案の方は、相手側が困っていることを、こちら側でアイデアをだし、動くということが理解できた。
この時、メリットはどちらにあるだろうか。相手側、と答えてはいけない。どちらにもメリットはある形でなければ仕事として成立しないのだ。
この両方にメリットがあることならWIN‐WIN(ウィンウィン)といえる。
たとえば、提案した企画を行うことで相手側は課題が解決でき、こちら側は仕事の発注が増える売り上げが上がるなどの何かしらのメリットが生じるはずだ。
このバランスが崩れると、提案は失敗に終わる。
たとえば、こちら側が赤字になっては仕事として成り立たない。
逆に、こちら側の利益ばかりを考えた提案ではいい成果が表れず、相手との信頼も崩れてしまうだろう。
今回は、提案と要望の違いを解説してきた。
とくに、社会人生活の中で提案する機会は社内外で出てくることだろう。
その時、WIN‐WINを意識しながら進めていくと、いい形で成果に結びつくはずだ。
本記事を参考に、提案と要望の使い分けに注意してみてほしい。
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