多くのビジネスは、一人で行うものでなく、複数のメンバーが分担して行います。特にプロジェクトにおいては、プロジェクト完了に必要な作業をタスクに落とし込み、それを各メンバーに振り分けて進めるため、メンバー全員が自身の担当業務を確実に完了させなければ、プロジェクト完了はあり得ません。
それを踏まえると、ビジネスは、一つ一つの作業単位ではなく、プロセス全体を通して管理することが有効です。そんな時に役立つ考え方が、「パイプライン管理」です。一般的にパイプラインと言えば、石油やガスを、出発地から目的地まで輸送する管をイメージします。それでは、マーケティング用語として使う「パイプライン」はどんな意味を持つのか、それがどのようにビジネスに役立つのか紹介します。
1. 適切な売上管理は、会社の持続的成長のために必須です
パイプラインの説明に入る前に、会社組織における売上管理の重要性を説明します。会社では、「売上は、上がる時期に上げればよい」という考え方は成立しません。会社は、年度ごとに経営計画を立てており、それを達成するために様々なビジネス活動を実施します。
経営計画を達成できるかどうかは、会社の将来を左右するもの。なぜなら、会社は売上を上げ、そこから必要経費を差し引いた「利益」を確保しなければ、持続・成長ができないからです。マーケティングも、売れる仕組みを作るという点で、会社が売上を上げるための重要な戦略なのです。
したがって、売上と経費予測は行き当たりばったりではいけません。経営計画を達成するためには、事前に年間の売上・経費予測を立て、予測と実績値の乖離を毎月確認しながら、乖離の大きい点については対策を講じなければならないのです。
2. マーケティング用語としての「パイプライン」の意味
ところで、最終的に売上を上げるためには、まず見込み顧客を選定し、その見込顧客に様々な方法でアプローチして、商品を買ってもらうことが必要です。そのプロセスの中で、一つ一つの作業に没頭してしまうと、プロセス全体で見た時に、何らかの問題が起きてしまうかもしれません。言わば、「木を見て森を見ず」の状態になってしまうかもしれないのです。そんな時に役立つのが、パイプラインの考え方です。
パイプラインを端的に説明すると、「売上が上がるまでの一連のプロセスを時系列で表したもの」です。「見込顧客に対する初回アプローチ→ヒアリング→提案→見積提示→受注」といった売上が上がるまでの一連のプロセスの中で、目標売上額の達成に必要な見込み顧客数を確保できているか、売上はいつ、どの程度上がる見込みか、受注に至るまでのアプローチにどれくらい時間がかかるか、といったことを時系列に並べて、売上管理を行うことです。
全体プロセスを俯瞰して見ることで、今どこで問題が起きているのか、どういった対策を講じることが最終的に良い結果を生むかを、適切に判断できます。ぜひ、この「パイプライン」の考え方を仕事に活用してみてはいかがでしょうか。
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