企画書のメインとなる項目は、テーマやコンセプト、内容説明、現況分析、期待効果ということになるでしょう。そのあとに具体的なスケジュールや予算などの項目を置いて最後に結語で締めるというのが、一般的な構成です。メインの項目に最も力を注がなければなりません。
そのため、多くの企画書の結語は「付け足し」の印象になってしまいがち。しかし、企画書はその「締め方」で、印象がかなり異なってきます。より魅力的な企画書の「締め」の作り方についてお話ししましょう。ポイントは「隠しネタ」です。
注意すべきこと~内容の繰り返し説明は無意味
おそらく企画書を作成するとき、結語について最初から考えて作り始めるということはしないでしょう。メインの項目に力を傾注し、最後の「締め」の部分は、集中力もなくなってしまい、いい加減にまとめてしまうということになりがちです。
多い例は、「以上のように、この企画にはこれだけの必要性と有用性があり、その実行によってこれだけの効果が期待できます」というように、それまで説明してきた企画の内容や期待効果を繰り返すパターン。報告書の「まとめ」なら、それで問題ないでしょう。しかし、企画書の締めとしては、いかにも「付け足し」の感が否めません。説明の繰り返しはほとんど意味がないと言っていいでしょう。
企画書の結語は、最後に独立させて記述する項目です。ということは、レイアウト上も大変目立ちます。その目立つ項目が「まとめ」で終わってしまったのでは、もったいないのではないでしょうか。
「隠しネタ」を出して、インパクトを与える
そこでおすすめしたいのが、「締め」に「隠しネタ」を持ってくる方法です。企画書の中でも特に注目されるのが、期待効果。企画の有用性をアピールする項目。そこでは企画の実行によって期待される効果を説明するわけですが、あえて、想定されるすべてをそこで披露するのを控えます。期待効果の中には、メインの効果のほかにも派生的、副次的に予想される効果もあるはず。その中の1つを「結語」にとっておくのです。
意外性があればあるほど効果的。インパクトのある隠しネタになります。結語でそれをさらりと披露しましょう。「メインの期待効果とはまったく別に、このような派生効果(副次的効果)も期待されます」と締めると、人の目を捉えることができるでしょう。先ほど触れたとおり、「結語」は視覚的に目立つ項目であり、全体の流れから完全に独立しているので、強く印象に残りやすいのです。
例えば、長編小説でも映画でも「ラストシーン」は印象に残るものです。書き手、作り手もそこに心血を注いで、最高のラストシーンを企図します。企画書の結語もいわばラストシーン。おもしろい「隠しネタ」を考えて、よりインパクトのあるものにしてください。魅力的な企画書になるはずです。
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