マーケティングを語る上で、必ず論じられる人がいます。それは、フィリップ・コトラーです。現代のマーケティング第一人者といわれ、世界中でその理論が論じられています。そのコトラーが提唱したマーケティング戦略の中で、今回は競争地位戦略についてご紹介していきたいと思います。
競争地位戦略とは何か
競争地位戦略とは1980年にコトラーが提唱したもので、経営資源から企業を4つに類型化し、業界内でのポジションに応じて企業が取るべき戦略目標を提示したものです。
その4つのポジションとは、以下の通りです。
1.リーダー企業…市場においてナンバー1のシェアを誇る企業
2.チャレンジャー企業…リーダーに次ぐシェアを保持し、リーダーに競争をしかける企業
3.ニッチャー企業…小さいながらも特定の市場で、独自の地位を築いている企業
4.フォロワー企業…リーダーやチャレンジャーの戦略を模倣して、市場での地位を維持している企業
例を挙げると、外食産業では、リーダーとチャレンジャーが業界最大手のゼンショーやマクドナルドでしょう。ここ数年では、マクドナルドがトップシェアを誇っていましたがゼンショーに追い抜かれ、業績の上昇を目指し社長を交代したのも記憶に新しく、今後の戦略が注目されています。
ニッチャーは、この業界では様々です。ファミリーレストランならサイゼリアやココスジャパン、コーヒーショップならスターバックスやドトールもあります。フォロワーはというと、マクドナルドがハンバーガーチェーントップで、後を追うのがロッテリアやモスバーガーです。ゼンショーで言えば、牛丼チェーンすき家が有名でそこには松屋や吉野家といった大手企業がいます。
外食産業全体で見れば以上ですが、細分化した市場でも見ることが出来ます。「リーダーをマクドナルドとして、ハンバーガーチェーンを見る」ということもできます。そうすると、ロッテリアやモスバーガーはもちろん、そこにバーガーキングやフレッシュネスバーガーなどが食い込んでくるでしょう。自社の今後の戦略に合った分析の仕方をしていくと良いです。
フォロワー戦略の重要なポイント
フォロワーは、チャレンジャーのようにトップシェアを狙う位置でもなく、ニッチャーのように特定市場での際立った独自性も有していない企業のことを言います。
独自に多大な投資をすることが難しいため、上位企業の模倣によってプロセスをできる限り効率化することを目指す形になります。重要なポイントは、上位企業からの報復を招かない様に事業展開することと、市場で生き残るための利潤を確保することだといえます。
上位企業の報復とは模範ともとれます。例えば、以前のヒット商品に「白いたい焼き」という商品がありました。この商品のヒットをみた雪印(現メグミルク)がすぐさま模範し、あっという間に市場を奪いました。これは、元々の経営資源の差です。同じ商品を作るなら、カネや販路などといったものが多い方が有利です。なかなか難しいですが、目立ちすぎず売上も確保していくことが重要だという例です。
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