単に機能が優れた商品を開発するだけでは、ヒット商品を生み出すことにはなりません。ヒット商品を生み出すためには、製品そのものの持つ機能だけではなく、様々な仕掛けが必要になります。仕掛けをすることで商品のヒット確率が上がり、より成功へと近づくでしょう。
では、ヒット商品を生み出すためには、どのような仕掛けが必要なのでしょうか。今回は、ヒット商品を仕掛けていくための仕組みを紹介します。
ターゲットを絞り込む
幅広い層を対象にした商品の方が顧客が増えるように感じますが、ターゲットを絞り込まないで開発された商品はどの層にとっても中途半端な商品になってしまい、ヒット商品にはなりません。ヒット商品の開発を目指すのであれば、顧客が減る可能性を覚悟してでもあえてターゲットを絞り込み、機能や性能をターゲットに特化させた商品づくりをすることが重要です。
ターゲットを絞り込んで開発された商品は、ターゲット以外の人から見れば魅力に欠けた商品に映りますが、ターゲットとして想定された人たちからすると、自分たちの願望を満たすような理想的な商品になります。特定のターゲットの間で圧倒的な強さを獲得することができれば、ライバルたちを蹴散らしてヒット商品の座を獲得することができるでしょう。
イメージ戦略を導入する
商品に特定のイメージをつける戦略を採用することで、商品の印象が上がり顧客数も増加します。イメージ戦略を実行する方法としては、テレビや雑誌の広告、有名人や企業とのタイアップ、スポーツイベントのスポンサードなどが挙げられるでしょう。
イメージ戦略の最大の利点は、商品そのものの魅力だけではなく、イメージ自体に価値観が生まれること。イメージ戦略が成功すれば、商品そのものに対して憧れや魅力が生まれます。単に道具としての商品ではなく、商品を購入することで得られる共有体験が価値を生むことになり、より多くの顧客獲得につながるでしょう。
新たな価値観を提供する
今までにはなかった全く新しい価値観を提供することができれば、その商品は市場において唯一無二の存在となり、ヒット商品へと成長していきます。新たな価値観とは、顧客が潜在的に抱えていた欲求ではなく、顧客が考えもつかなかった価値観を提案することです。
ウォークマンは音楽文化に革命を起こした画期的な商品です。ウォークマンがヒットした理由は「音楽を持ち運ぶ」というそれまでにはなかった全く新しい価値観の提供に成功したからです。新しい価値観は商品をヒットさせるだけでなく、社会にも大きな影響を与え新たなマーケットを切り開く力を持つのです。
ヒット商品を生み出すためには、商品そのものの魅力だけで勝負していても努力不足です。商品とは製品そのもののことだけではなく、それを取り巻く環境を含めて価値を図るべきものです。製品を購入して得られる満足感や使用することで生まれる達成感、体験を通じて獲得する共感なども商品価値の一種。ヒット商品とはそれらの価値を提供するものですので、製品としての価値以上のものを提供して、初めてヒット商品となる可能性が生まれるのではないでしょうか。
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