転職者に対する仕事を教え方は、新卒者の場合とかなり違ってきます。相手が新卒者であれば、「一から十まで」懇切丁寧に教えなければなりません。しかし、転職者の場合は社会人としての経験があるので、基本的なビジネスマナーなどは教える必要がなく、より短時間で仕事を覚えてくれるでしょう。ここでは、転職初日に仕事を教えるときの3つのコツと、注意点について話していきます。
1. 「転職」ということを活用した教え方
まず、相手が転職者であること活用した教え方を考えましょう。前職と現職が同じ職種の場合は、省略していい項目がかなりあるでしょう。そうでない場合も、組織内で仕事をした経験があるのですから、「仕事」という点で共通項は少なくないはず。
ですから、転職者に仕事を教えるときは、前職でどんな仕事をしていたのか、これまでどんな職歴があるのかをヒアリングしながら説明するといいでしょう。同じ職種であっても、会社によってそのやりかたやルール、理念が違うことが少なくありません。密なコミュニケーションを取り、話の擦り合わせをしながら説明すること。これが教え方のコツです。
2. 仕事の全体像をまず教え、その後、各仕事をレクチャー
新卒の場合は、個々の仕事について、実際の手順やルールを説明するのが常套的な教え方であり、もっとも有効な方法と言っていいでしょう。しかし、転職者の場合は、個々の仕事よりも先に、セクションの仕事の全体像と、転職者本人が担当する仕事の全体像、及びその目的や意味を説明するのがコツです。
社会人経験があるからこそ、全体像から説明すると、個々の仕事も理解しやすくなります。「自分の受け持つ仕事にはどういう役割りと目的があるのか」を把握することによって、個々の仕事のポイントも短時間で覚えられるようになるでしょう。
3. 精神的な気づかい、フォロー
転職者には新卒者とはまた違った「遠慮」があります。まして、転職初日ということは、それだけ緊張もしているでしょう。ですから、「話しやすい先輩」という印象を持たせなければ、遠慮して、聞きたいことも聞けなくなってしまいます。できるだけフレンドリーに、「どんなことでもいいですから遠慮なく質問してください」という意識と態度、言葉遣いで接するようにしましょう。
注意すべきなのは、「こんなことはよくわかっていると思いますが」といった前置きをしないこと。その「こんなこと」がよくわからないというケースは少なくありません。そうした不要の前置きをすることで、質問しにくくさせてしまうのです。これが転職者に対する仕事の教え方の3つめのコツです。
その日の終業前に「1日仕事をしてみてどうでしたか?」と聞いてみることをおすすめします。覚えられたこととそうでないことをチェックするだけでなく、「話しやすい先輩」をアピールするための、ちょっとした工夫です。
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