斬新な商品を開発するために重要なのが「逆転の発想」です。逆転の発想で開発された商品は、従来とは異なる魅力や機能を持つことになり、市場における競争優位性を獲得することになります。
逆転の発想は成功すれば大きな効果をもたらしますが、発想を間違えてしまう事があれば成功は程遠いものになってしまうでしょう。今回は、「逆転の発想」を商品開発に活かすために意識すべきことを紹介します。
1. 正しく逆転させる
逆転の発想で最も重要なのは、アイデアを正しく逆転させることです。一見逆転しているように見えていても、実際は全く逆転していない、あるいは逆転の方向性を間違っていることはよくあります。塩味のおにぎりを砂糖味にする、というのは一見逆転の発想に見えますが、これは単に味という要素を変更しただけであり、逆転の発想ではありません。
正しく逆転させるため重要なポイントが、回転軸の見極めです。アイデアを回転させる基準を正しく設定すれば、逆転が正しく行われます。おにぎりを例にとると、「ご飯の中に具がある」という関係性を回転軸に逆転させれば「具の中にご飯がある」という逆転の発想が生まれるのです。この発想をアイデアにして商品開発を行えば、肉という具によってご飯が包まれている「肉巻きおにぎり」という商品アイデアが誕生します。
2. 短所を長所に変える
短所を長所に逆転させることができれば、そのアイデアは他に類を見ない斬新なアイデアになります。短所とは普遍的なものではありません。同じ条件でも場面が変われば評価は全く変わります。逆転の発想を用いることでこれまでは価値のなかった短所が長所に生まれ変わり、まったく新しい商品を開発することができます。
「塗装ができない」という短所を抱える素材であれば、逆転の発想で「余計な落書きをされる心配が無い」という長所を持った素材に生まれ変わり、落書き防止用の建材として新しい商品開発が実現するでしょう。逆転の発想とは新たな価値観を提示する行為なのです。
3. 不便を解消する
商品に不便な点があれば解消を目指すのが一般的ですが、必ずしも不便な点の改善が上手くいくとは限りません。そんな時は逆転の発想を利用して不便を解消すればいいのです。テーマパークで最も不便な点といえば、アトラクションの待ち時間です。何時間も顧客を待たせてしまうとイライラが募って不便をかけてしまうことになりますが、乗員数を増やして効率をアップするという改善策は簡単に実行できるものではありません。
そんな時に逆転の発想を用いれば「待ち時間を短くする」のではなく「長い待ち時間を楽しく過ごす」というアイデアが生まれるでしょう。待っている人向けにパフォーマーによるパフォーマンスを披露したり、キャラクターたちとの触れ合いを提供すれば、退屈なはずの待ち時間が楽しい時間に変わります。逆転の発想を導入することで、根本的な解決が難しい問題に新しい価値観を提供し、不便を解消することができるのです。
逆転の発想はより良い商品を開発するためのものです。単に発想を逆転させただけでは、価値ある商品を生み出すことは不可能です。逆転の発想で生み出されたアイデアに価値があるかどうかは、発想のやり方で決まります。正しいやり方を意識して、逆転の発想を活用してください。
U-NOTEをフォローしておすすめ記事を購読しよう