企画書に必ず記載しなければいけない項目が予算です。予算があることで企画に必要なコストが明確になり、実現のために越えなければいけないハードルも明らかになることでしょう。予算はただ金額を記載すればいいというものではありません。予算の記載にも一定のルールがあり、正しく記載しなければ予算を正しく提示することができなくなってしまいます。今回は、企画書に予算を記載する際に気をつけたいことについて解説します。
1. 内訳を記す
予算を記載する時に、必要な金額だけを記載して何の説明もつけない企画書が作成されることがあります。企画全体にかかる予算は重要な項目ですが、ただ金額を記載しただけでは予算とは言えません。
予算を記載する時は、その予算が何に使うものなのかがわかるように記載し、内訳をはっきりとさせておくことが重要です。総予算10000000円、と書いてあるだけでは、予算をどのように使うのかが全く理解できず、予算額が適切なものなのかどうかを判断することができません。
会場設営費〇〇円、機材費〇〇円、アルバイト報酬〇〇円、というように内訳を記載しておけば、予算をより具体的な形で示すことができるようになり、読む人が予算が適切なものかどうかをチェックすることができるでしょう。また、予算についての改善提案や増額、減額といった判断も可能になるため、企画実現に向けてより具体的な検討が進められるようになります。
2. イニシャルコストとランニングコストを明確にする
予算には、企画をスタートするために必要になるイニシャルコスト(初期費用)と企画を継続的に維持するために必要になるランニングコスト(維持費用)の二種類があります。イニシャルコストとランニングコストを明確にすることで企画の立ち上げに必要な予算がどのくらいなのか、企画を継続するためにどのくらいの予算が必要なのかを把握することが可能になり、適切な資金調達計画を立案することができるでしょう。
飲食店をオープンする場合、イニシャルコストに当たるのは店舗を借りるための敷金・礼金・家賃の前払い分、スタッフの採用面接費用、備品調達費、ユニフォーム代などです。ランニングコストは月々の家賃、スタッフの給料、食材の仕入れ代金等が必要になります。
イニシャルコストはスタートのために必要になるコストであり、見方を変えれば予算の全額を調達しなくても、イニシャルコストに相当する金額だけ調達できれば企画をスタートさせることは可能である、ということになります。企画が長期間に当たるのであれば、まずはイニシャルコストに必要な資金を用意して企画をスタートさせ、企画を勧めながらイニシャルコストに相当する分を稼いでいく方法もあります。
イニシャルコストとランニングコストが明確に区別されていない場合、最適な効率で資金調達を行うことができなくなってしまいます。資金計画に大きな影響を与えてしまうので、内訳を記載する時にはイニシャルコストとランニングコストが明確に理解できるように工夫して記載してください。
予算は企画書を読む人が一番気にする項目です。予算を明確に示しておくことで読む人は安心感を感じ、企画が具体的なものであることを証明する効果があります。予算が重要でない企画は存在しません。何のために使う予算なのかが理解できるように記載してください。
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