組織で仕事を進めていく際に不可欠なのが、チームワークとコミュニケーションです。組織の目標を達成するためには、高いチーム力が必要ですし、チーム力を高めるためには適切なコミュニケーションが必要になります。
チームワークというと、スポーツの団体競技を例に語られることが多いですが、ここではあくまでも事業を目的とした組織のチームワークとコミュニケーションついて、その望ましいあり方を説明しましょう。
「緩やかなまとまり」を保ちながらゴールをめざすチームワーク
スポーツだと「メンバー一丸となって勝利を目指すためのチームワーク」ということになるでしょう。スポーツ大会などの「一糸乱れぬ行進」などがそのもっともわかりやすい例です。しかし、仕事のチームワークはそれほど単純なものではありません。
組織内の人間関係は複雑です。例えば、あるセクションで1人だけ際立った活躍をし、ずば抜けた成果を上げると、それに対して嫉妬心を抱く人も現れるでしょう。また、同じプロジェクトを推進する際も、それぞれのメンバーが別の自己目的を持ったり、動機付けをしたりするのがふつうです。各自が違うマインドを持っている以上「一丸」になるのは困難ですし、またそうなる必要もありません。
こうした多様性が、実は、組織がより優れた成果を上げるための原動力ともいえるのです。大切なのは、各自の多用な目的や価値観を軽んじないこと。それを生かしながら、緩やかにまとまってゴールを目指すこと。これが、仕事の上のチームワークの望ましいあり方です。
メンバー全員が組織の目的や目標を正確に把握し、お互い連携を取りながらゴールをめざすことさえできれば、各自のマインドや方法論は多様であっていいのです。1つの山頂を目指すのに、1つのルートしか選べないのがスポーツだとすれば、各々が自分で判断し、複数のルートを取りながら同じ山頂に到達するのが仕事のチームワークだと言えるでしょう。
質と量を常に考えながら適切なコミュニケーションを図る
そのチームワークを高めるために必要なのがコミュニケーションということになります。コミュニケーションを円滑に取ることができなければ、チームが目標に近づくことはできませんし、できたとしても不要な時間がかかってしまいます。
大切なのは「適切なコミュニケーション」ということ。各自が常に情報の質と量を考えながら、コミュニケーションを図らなければなりません。何でもかんでも情報交換すればいい、ということではないのです。「必要最小限よりは少し多いコミュニケーション」が理想と言っていいでしょう。「必要かどうか、有用かどうか」を判断基準にして、適切なタイミングで情報交換すること、これが望ましいコミュニケーションのあり方です。
「チーム一丸となって」という意識は、仕事を進めていく際には、時にはマイナスに作用してしまいます。多様性を認識し、それを生かしたチームワークを考える。そして、そのために適切なコミュニケーションを取ることが、チーム力を高めると言っていいでしょう。
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