セクション内の仕事の効率化を企図したとき、もっとも実効性があるのがコミュニケーションの促進です。適切なコミュニケーションを取ることによって、各スタッフの作業効率は確実に上がり、セクション全体の仕事の効率もアップするでしょう。
ここでは、なぜコミュニケーション促進が効率化につながるのか、より効率的なコミュニケーションの取り方は何かについて考えてみましょう。
「コミュニケーション促進」は無駄な時間を省く
仕事の効率化のためには、できるだけ無駄を省くのが基本です。「無駄を省く」ということはすなわち「無駄な時間を省く」ということ。仕事における無駄な時間とは何か。それは仕事を前に進める作業の妨げになる時間です。ビジネスシーンでよく言われる「報・連・相」ですが、これがおざなりにされ、セクション内のコミュニケーションが空疎になった場合、どうなるでしょうか。
例えば、Aさんが行わなければならなかったBさんへの報告をしなかったとします。その報告を待っていたBさんがしびれを切らし、Aさんに「あの件はどうなった?」と聞いて、ようやくAさんは報告する。このケースでは、待ちかねてしびれを切らしたBさんの、その間の仕事の効率は悪くなりますし、「あの件どうなった?」とAさんに尋ねる時間も、本来必要のないものです。
1つ1つの時間のロスは小さなものでも、それが複数のスタッフの間で日々積み重なっていけば、膨大な時間のロスになってしまいます。ですから、各スタッフが常に密なコミュニケーションを取り、互いに必要な情報を与えあうことが、仕事の効率化に不可欠なのです。コミュニケーションの促進が、無駄な時間を排除する。「適切なコミュニケーションが時間を生み出す」と言い換えてもいいでしょう。
過剰なコミュニケーションは逆効果~夕礼のすすめ
注意しなければならないのは、組織内で「コミュニケーション促進」を謳うと、各スタッフがそれを意識しすぎて、結果として過剰なコミュニケーションが生まれてしまう危険性があるということです。
特に過剰なメールの「報・連・相」には気をつけなければなりません。「必要かどうかわからないけど、とりあえずメールしておこう」と、実はまったく必要でない情報を必要でないスタッフに送る、ということがありえます。ですから、コミュニケーションによる仕事の効率化を図る場合は、過剰を戒め、各自が常に適切な判断をするよう心がけなければなりません。
スタッフ全員が共有すべき情報は、個々のメールよりも、朝礼などで1度にしてしまったほうが効率的でしょう。おすすめなのは朝礼よりも「夕礼」。朝礼はどうしても上司の「訓示」のような内容になってしまいます。それよりも終業時に、全員が知っておくべき情報を知らせ、その日の仕事から生まれた、必要な「報・連・相」をしたほうが、より有効な時間の使い方ではないでしょうか。
効率化のカギを握るといってもいい、コミュニケーションのあり方。過剰にならずに密なコミュニケーションを取ることを心がけるべきでしょう。
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