ロジカルシンキングを実践する上で、重要になってくるキーワードが「判断基準」です。様々な場面でロジカルシンキングを活用しようとするときに、必ず判断基準というキーワードが絡んできます。
判断基準についての理解がなければ、行われるロジカルシンキングは最高の水準のものにはなりえません。ロジカルシンキングと判断基準の関係性を知ることが、より質の高いロジカルシンキングを実現するために求められる要素になります。今回は、「ロジカルシンキング」と「判断基準」の関係性について解説します。
課題設定における関係性
ロジカルシンキングで事実を考えることにより、どの部分に問題があるのかを明らかにすることができます。事実を細分化して考えていくことで、問題のない部分と問題のある部分の切り分けが進められ、明らかになった問題点を課題として設定することができるのです。
ロジカルシンキングを用いて課題設定をする場合、重要になるのが判断基準。正しい判断基準がなければ、問題部分と正常な部分の切り分けを行うことができません。事前に判断基準を明確にしておくことで課題設定は可能になり、判断基準を変更すれば解決すべき課題のレベルを変更することもできるでしょう。
解決方法における関係性
解決すべき課題を設定したとは、解決方法を見つけ出す必要があります。ロジカルシンキングを利用して解決策を探る場合、問題点を理論的に分解しながら解決可能な点を見つけ出し、それを具体的な実現手段をもって解決策として提示しなければなりません。
仮に解決可能な点が見つかったとしても、具体的な実現手段が無ければ解決策とは言えません。「住むところがない」という課題に対し「住宅を購入する」という解決法を提示することは可能ですが、具体的な「資金調達手段」を提示できなければ解決策とは呼べないでしょう。
発見した解決方法に対し、実現可能性があるかどうかの判断基準を持っていなければ、解決策の提示は不可能。ビジネス上の課題であれば、企業が持つ人的資源や生産力、販売網などが判断基準に相当します。
戦略における関係性
活動方針を決める戦略においても「ロジカルシンキング」と「判断基準」の関係性は重要になります。ある企画に対して「推進」か「撤退」かの判断を迫られた場合、ロジカルシンキングでできることは判断の具体的根拠を示すこと。
それぞれの判断を採用した場合の結果予想、必要とされるコスト、予想される利益や損失などを論理的に考えて具体的根拠とともに示すためには、ロジカルシンキングが欠かせません。
ただし、ロジカルシンキングが示すことができるのは事実に基づいて導き出される結論のみであり、優劣を判断することはできません。どちらの選択をすべきかについては、独自の判断基準を用いる必要があります。
利益の最大化を目指すのか、損失の最少化を目指すのか、事業の存続を第一に考えるのか、顧客の利益を優先するのか、判断基準をどこに設けるのかによって最適な戦略は異なります。重要なのは判断基準を第三者にもわかる形で明確に示すこと。判断基準を明確に示すことで、判断に合理性と説得力が与えられます。
ロジカルシンキングと判断基準は切り離せない関係性にあり、効果を最大限にするためには双方を正しく使いこなさなくてはいけません。
ロジカルシンキングが正しく行われていても、判断基準が誤っていれば結果は誤ったものになってしまうでしょう。両方を正しく使いこなし、余計な要素を排除して初めて最高の結果を得ることができるのです。
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