セグメンテーションは、マーケティングにおけるSTPパラダイムの一環であり、非常に重要な要素です。セグメンテーションとは、簡単に言うと市場細分化戦略のことです。市場と一口にいっても地域や年代、所得や収入、慣習や文化、社会階層などの地理的、人口統計的、心理的などの要因で分割して区分した市場におけるニーズに自社製品を適合させたり、その市場の中で需要を創出していくアプローチのことです。
マーケティングの中で非常に重要なプロセスと考えられており、ここでは国内の成功事例をもとにその重要性や有効性を考えます。
セグメンテーションの大切さ
上述のように、セグメンテーションとは地理的、人口統計的、社会的、心理的に市場を細分化することによって特定の商品を強力に販売していこうという戦略です。これを行うことによって必要なニーズに対して必要な商品を供給することが可能になります。
供給側の都合による消費者にとって魅力的でない商品が氾濫する事例とは反対の結果が得られます。考え方の違いはありますが、需要と供給のバランスを考えてより効率的に無駄のないマーケティングの一つだと思います。
自動車におけるセグメント分類
もっとも代表的な事例は自動車によるセグメント戦略です。自動車というのはまさにセグメントに排気量や車の大きさなどによりAからFのセグメントに分類されています。
例えばジャガーのXJなどは、Fセグメントに分類され最高峰の高級自動車として分類されており、高所得者や高級車志向のユーザーをターゲットとしています。また国内の低価格路線、低維持費路線の一角を担うコンパクトカーのホンダのフィットやトヨタのヴィッツに関してはBセグメントという分類です。
具体的な事例
トヨタのセダン市場は、分かりやすい事例です。トヨタのセダンには1500㏄の下位グレードである大ヒットした大衆車であるカローラ、高級セダンとして確固たる地位をしめているクラウンがあります。この2つは2倍からそれ以上の価格差があるにも関わらず非常に大きなシェアを持っています。
2008年の新車販売台数に関しては、カローラが14万台以上の販売台数に対してクラウンも7万5千台近い販売台数を確保しています。この両者は互いに違う所得、趣味もしくは年代のターゲットを設定しており、それが重複していないことがわかります。
セグメンテーションをせずに単なる性能や付加価値の違いのみで商品展開をしては、これらの明確な消費傾向をもつユーザー層をとらえることはできなかったでしょう。セグメンテーションを行えば、そこに具体的にどういった商品展開をすればいいのかを絞ることができ、適切なブランディングも図れるのです。
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