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「ロジカルシンキング」を用いて問題の原因分析を行う際の代表的な2つの方法

Shingo Hirono

2014/04/13(最終更新日:2014/04/13)


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by pavlinajane
 ロジカルシンキングは様々な場面に応用可能な思考法ですが、特に力を発揮するのが原因分析です。論理的に筋道だった思考をすることで観測された結果から原因をさかのぼって明らかにすることが可能になり、一つの物事を分析するのに非常に役立ちます。今回は、ロジカルシンキングをして原因分析を行う方法について解説します。

原因分析ツリーを作成する

 ロジカルシンキングをして原因分析を行う時に役立つツールが「原因分析ツリー」です。原因分析ツリーとは、観測された結果にかかわる要因をすべて洗い出し、一つ一つをさらに細分化していくことで事象を細かく分析し、原因がどこにあるのかを探っていく手法です。原因分析ツリーを使うことで客観的に事実を直視できるようになり、思い込みや先入観を排除して論理的に対応することが可能になります。

 原因分析ツリーの例を示します。ある商品の売り上げが低下したという事実の原因分析ツリーを作成するためには、商品の売り上げに関わる要因を一つ一つあげていきます。価格・店の立地・流行・顧客の購買欲・季節・デザイン等、関わる要因を一つ一つあげていき、更にその一つ一つを細分化していくのです。

 価格という要因を分析する場合「価格が高すぎるのか」「性能に対して適正価格ではないのか」「競合商品と比較して割高なのか」「不景気になって顧客に合わない価格設定なのか」「割引率が低いのか」などの原因が推定されるはずです。このように要因ごとに細かく問題を細分化し、更に要因を一つ一つ分解しながら分析していくことで、正しい原因を導き出すことができます。

仮説を立てる

 最初に仮説を設定し、その仮説が正しいのかどうかを確認することで原因分析を行う方法です。この方法は経験や勘といったものをロジカルシンキングに応用する手法であり、最初に立てる仮説がその後の分析作業を左右します。

 もし最初に立てた仮設が正解であれば、ロジカルシンキングは一度の検証で済みますが、仮説が外れていれば正解にたどり着くまで何度も検証作業を繰り返さなくてはいけません。また、最初に仮説を立てた人物が検証作業を行う場合、自分の仮説が正しいものだという思い込みに基づいて検証作業を進めてしまう可能性があります。バイアスがかかったままでは、ロジカルシンキングを正しく実行することができません。

 検証作業の客観性が無ければ成立しない原因分析法ですが、予想される原因がすでに絞り込まれている場合や、ある程度の目安がついているときには有効な原因分析の手法と言えるでしょう。


 ロジカルシンキングを活用することで、客観的事実に基づいた公正な原因分析が可能になります。重要なのは思い込みや希望的観測といった心理的要素を排除して分析を行うこと。どんなに正しい理論でも、心理的バイアスがかかってしまってはロジカルシンキングは成立しないということを覚えておきましょう。

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