新規事業を計画する時に重要な作業が「ビジネスモデル」の構築です。ビジネスモデルとは、企業が利益を上げていくための枠組みであり、収益を上げる方法そのものを意味します。ビジネスモデルが提示できなければ、企業がどのような形で存続を目指すのかがわからなくなり、賛同者も出資者も集まりません。今回は、新規事業の「ビジネスモデル」を立案する際に意識しておくべきことを紹介します。
1. どのように利益を上げるか
ビジネスを行う以上、利益の発生しないビジネスモデルは存在しません。利益をどのような形で生み出すのかを示すのがビジネスモデルの果たす役割であり本質です。利益を生むための存在が企業なのですから、企業とはビジネスモデルそのものであると言えるでしょう。
どのような事業を行い利益を生み出すのか、それこそがビジネスモデル立案で最初に示すべきポイントです。営業形態や営業方法、購買システムなど様々な仕組みを組み合わせて、どのような形で利益を生み出すのかを提示してください。
2. ターゲットは誰か
新規事業が誰に向けた事業なのか、ターゲットを設定しなければビジネスモデルは立案できません。企業向けか個人向けか、男性か女性か、年齢層はどのくらいを想定しているのか。ターゲットを絞り込むことで事業見通しが計画できるようになり、ビジネスモデル全体の流れを設定することが可能になります。
ターゲットを決めることで立地や事業で取り扱う商品も絞り込まれます。誰に向けた事業なのかということが定まらなければ、事業がどの方向を向いて進んでいくものなのかがわからなくなり、ビジネスモデルも具体性を欠いたものになってしまいます。
企業が安定的に経営を続けていくためには、顧客満足度を高めて一定数の売り上げを確保しなければなりません。ターゲットの設定はそのための基礎となる作業であり、ビジネスモデル全体の方針を左右する重要なポイントになります。
3. 成功に必要なものは何か
新規事業を成功させるためには何が必要なのか、ということを意識しなければ成功するビジネスモデルの立案は不可能です。新規事業の内容だけでなく顧客の欲求や市場の現状などを徹底的に分析し、成功に必要な要素を盛り込んだビジネスモデルを立案しましょう。
成功に必要な要素は、顧客が潜在的に持っている欲求やニーズによって決まります。飲食店であれば、食事をしたいと考えている顧客の多い場所にオープンすることが必要な要素になりますし、自動車であれば安全性や運転のしやすさなどが潜在的な欲求に当たります。潜在的な欲求にこたえるような商品を提供するビジネスモデルを構築すれば、利益の確保に成功し安定した経営が実現するのです。
ビジネスモデルは具体性を持った経営計画であり、願望や理想ではありません。ビジネスモデルを立案する時は、個人の意思を極力排除しないとご都合主義のありえないビジネスモデルが完成してしまいます。
ビジネスモデルでは上手くいくことになっていても、その計画が現実にならなければ意味がありません。客観的な視点を持って新規事業を取り巻く条件を見つめ、具体性を持ったビジネスモデルを立案することが重要になるでしょう。
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