会社への提案は、本来自主的に、能動的に行われるものです。しかし、時には会社から何か提案するよう求められることもあるでしょう。いわば「受動的な提案」です。その時、自分の中に何かアイデアを持っていればいいのですが、そうでないケースがほとんどでしょう。いきなり「提案しろ」と言われても、どう応じていいのか困ってしまうことも少なくないはず。そんな時はどう対応すればいいか。提案のネタ探しについて考えてみましょう。
身近なネタ探しから始めてみる
最初から「会社へ提言」という大きなネタを見つけることは至難です。ですから、まずは、ごく身近なところからネタ探しをするといいでしょう。自分の部署や職場で毎日働いている中で感じること。「ここは、もうちょっとこうしたほうがいいんじゃないかな」という程度の発想でいいのです。思いついた点に関して、「どこをどう変えれば、どう良くなるか」を考え、それをロジカルに説明できれば、立派な提案が出来上がります。
業務や職場内のありようについて、マイナスポイントだけでなく、プラスポイントも考えてみましょう。たとえば半年前に業務改善されて、以前より良くなった点について、「もっと良くすることはできないか」という検討をするのです。社内の提案というと、ほとんどの人がマイナスポイントの改善を考えますから、「プラスポイントのさらなる改良」は、新鮮なネタと感じられるのではないでしょうか。
同業他社と自社を比較してみる
次に、もう少し視野を広げてネタ探しをしてみましょう。同業他社と自社を比較して、自社の改善点を見つけるという方法です。これは、多くの人が実は日ごろからなんとなく感じていることなのではないでしょうか。「うちの会社も、○○のようにすればいいのに」という不満を、前向きな形で提案するのです。
ただし、「A社ではこうしていますので、わが社もそれを取り入れて」というような説明の仕方はNG。あくまでも、他社の例はネタを考えるためのヒントです。説明は、A社とは関係ない提案方法をしなければなりません。同じように、社内の違う部署の例をヒントに、ネタ探しをしてもいいでしょう。
また、同業他社だけでなく、異業種、異職種の例も大いに参考になります。たとえば製造業が小売業のやり方を取り入れて、仕事の効率アップにつなげることも十分可能でしょう。その場合は、その異業種名を明らかにして提案すること。つまり、同業他社の例とは反対の方法を取るのです。まったく畑違いの他業種から提案のヒントを得たという発想力が、上司からの評価ポイントになるからです。
仕事のヒントはどこにあるか分かりません。提案のヒントも同様です。ですから日ごろから、ちょっと思いついたこと、疑問に思ったこと、あるいは不満に感じていることなどを、こまめにメモしておくといいでしょう。会社から提案を求められたとき、そのメモがネタ探しのためのデータベースになるのです。
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