取引先に書類を送付する際、名刺を同封するケースがあるのではないでしょうか。
実は、名刺を書類に同封する際にもマナーがあります。
本記事では、書類と名刺を同じ封筒で送付する場合のマナーからスマートな送付方法、名刺を渡せなかったときに送付する「お詫び状の書き方」について詳しく説明していきます。
- 名刺を書類と一緒に封筒に入れる際のマナー
- 書類と名刺をスマートに送付する方法
- 名刺を渡せなかったときに送付する「お詫び状」の書き方
名刺を書類と一緒に封筒に入れる際のマナー
はじめましての相手に書類を送付する際には、名刺を同封することも多いでしょう。
まずは、名刺を書類と一緒に封筒に入れる際のマナーをご紹介します。
細かなマナーに気をつけてワンランク上のビジネスパーソンを目指しましょう。
書類と名刺を同封するときのマナー1:書類を取り出したときに名刺も出てくるようにする
書類と名刺を同封するときのマナーの1つ目は、書類を取り出したときに名刺も出てくるようにすることです。
書類と名刺を一緒に封筒に入れただけでは、多くの場合、名刺は封筒の下のほうに移動しています。
相手が書類を出したとき、名刺に気づかず、誰から送られてきたかわからない資料になってしまいます。
もしくは、求められて名刺を送付するケースでは、相手に封筒の中の名刺を探させることになってしまい、相手の時間を浪費させることになります。
受け取り側が封筒の中から書類を取り出したとき、自然に名刺も出てくるようにしなければいけません。
書類と名刺を同封するときのマナー2:名刺は書類にクリップで留める
書類と名刺を同封するときのマナーの2つ目は、名刺は書類にクリップで留めることです。
名刺と書類がばらばらにならないようにクリップを活用します。
クリップで留めておけば、書類を取り出したときに名刺が封筒の中に残ることはありません。
書類と名刺を同封するときのマナー3:ホッチキスで名刺を留めるのはNG
書類と名刺を同封するときのマナーの3つ目は、ホッチキスで名刺を留めないことです。
クリップではなくホッチキスで名刺を留めるのはマナー違反です。
名刺と書類の両方を傷つけることになってしまうだけでなく、受け取った相手はホッチキスを外す手間がかかってしまいます。
また、マスキングテープで止めるのもNG。剥がすときにテープののりが残ってベタベタしてしまう可能性もあります。
相手がスムーズに書類や名刺を整理できるように、クリップを使用するようにしてください。
書類と名刺をスマートに送付する方法
名刺を書類と一緒に送付する際には、名刺と書類がばらばらにならないように、クリップで留めなければいけないことを紹介しました。
次は、書類と名刺をさらにスマートに送付する方法をご紹介します。
書類と名刺をスマートに送付する方法1:送付に適した封筒を選ぶ
書類と名刺をスマートに送付する方法の1つ目は、送付に適した封筒を選ぶことです。
書類に気を取られて忘れがちなのが、「封筒選び」です。名刺と書類を送付することだけを考えず、用途に適した封筒を選ぶ必要があります。
封筒を選ぶ際に「名刺と同封する資料は折っても問題ないのか」を確認しましょう。折っていいかどうかで封筒サイズが異なってくるからです。
以下では、A4書類と名刺を送付するときの適切な封筒サイズをご紹介します。
- 折ってはいけないA4書類に使う封筒:「角2封筒」
- A4書類を三つ折りにして送るときに使う封筒:「長3封筒」
書類に対して大きすぎる封筒で送ると不格好になりますし、書類が入っていないスペースが折り曲がってしまいがち。小さすぎると相手が書類を出すときに不便です。
相手に届いたときにきれいな状態になるように、そして開けやすいようにサイズを選ぶようにしてください。
書類と名刺をスマートに送付する方法2:送付状をつける
書類と名刺をスマートに送付する方法の2つ目は、送付状をつけることです。
書類と名刺を一緒に送付する際に限らず、書類を取引先に送るときには送付状をつけましょう。
名刺をクリップで書類に留めていても、何かの拍子にクリップが外れてしまうかもしれません。
仮にクリップが外れてしまったとしても、送付状に名刺を同封している旨を記載することで、送り先の相手も名刺が入っているかどうか確認してくれるはずです。
書類と名刺をスマートに送付する方法3:「書類→名刺→送付状」の順で重ねて封筒に入れる
書類と名刺をスマートに送付する方法の3つ目は、「書類→名刺→送付状」の順で重ねて封筒に入れることです。
送付状を同封する際に、名刺を「書類に留める」のか「送付状に留める」のかと悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
送付状は書類や資料の上に入れるものです。先方が封筒の中身を取り出したとき、まず最初に目に入るのは資料ではなく、送付状にならなければいけません。
送付状に名刺を留める方法もありますが、本記事でおすすめしたいのは「送付状ではなく資料の上に名刺を留める方法」です。
資料の上に名刺をクリップで留めた場合、相手はまず送付状に目を通し、次に資料を見ます。相手が資料を見たとき、資料に名刺を留めていれば自然と名刺に気づいてもらえます。
書類と名刺をスマートに送付する方法4:基本的に名刺は書類の「右上」に留める
書類と名刺をスマートに送付する方法の4つ目は、名刺は書類の右上に留めることです。
名刺を右上に留めるべき理由は、右利きの人がクリップを外しやすい位置だからです。
もし、取引先の人が左利きであることを知っているなら、資料の左上に名刺を留めることをおすすめします。
相手はその細やかな心づかいに気がついてくれるでしょう。
名刺を渡せなかったときに送付する「お詫び状」の書き方
取引先との打ち合わせ時に名刺を切らしたり、忘れたりしてしまったために、名刺を書類に同封する場合もあるのではないでしょうか。
名刺を送付する際、「お詫び状」も一緒に送付することがマナーとされています。
名刺を同封する理由が「名刺を渡せなかったこと」である場合に知っておきたい、基本的なお詫び状の書き方を詳しく解説していきます。
名刺を渡せなかったときの「お詫び状」の書き方1:通常のビジネスマナーよりも丁寧な語調にする
お詫び状を書くときに心がけておきたいのが「通常のビジネスレターよりも丁寧な語調にすること」です。
謝罪の言葉一つでも「申し訳ありません」を「申し訳ございません」にするだけで、より丁寧な印象になります。
また、通常の送付状には「時候の挨拶」を加えますが、名刺を後日送付する際のお詫び状に記載する必要はありません。
名刺を渡せなかったときの「お詫び状」の書き方2:お礼とお詫びの言葉を記す
名刺を渡せなかった場合、相手とは直近で会っていることが多いのではないでしょうか。
お詫び状には以前会ったときのお礼と、名刺を渡しそびれたことへの謝罪の言葉を書きましょう。
名刺を渡せなかったときの「お詫び状」の書き方3:「頭語と結語」は正しく使う
送付状やお詫び状などのビジネス文書に用いる、「拝啓」「敬具」といった頭語と結語を正しく使うことに気をつけましょう。
全ての頭語と結語はセットになっており、その組み合わせを間違えるのは社会人として恥ずかしいものです。
頭語と結語の組み合わせが正しいかどうかを確認した上で記載しましょう。
以下では、お詫び状に使う頭語と結語をご紹介します。ぜひ参考にしてください。
- 頭語に「謹啓」結語に「謹白」
- 頭語に「急啓」結語に「敬具」
- 頭語に「拝啓」結語に「敬具」
一般的な手紙の場合、頭語に「拝啓」結語に「敬具」を使うことが多いです。しかし、お詫び状の場合は、「拝啓」「敬具」よりも、敬意位が高い「謹啓」「謹白」を使うことをおすすめします。
名刺を渡せなかったときの「お詫び状」の書き方4:宛名を書く順は「肩書き→氏名→様」
お詫び状の宛名に会社名を書く際は、「(株)」と省略せずに「株式会社」と記入することに気をつけてください。
会社名を記入したら段落を分けて、「肩書き(部署名、役職)→氏名→様」の順で記していきます。
上記でご紹介してきたお詫び状の書き方を踏まえ、お詫び状の例文を紹介します。名刺を渡し忘れてしまった人は、ぜひ下記文面を参考にしてください。
- 〇〇株式会社
広報部 ☓☓ 様謹啓
先日は貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました。
短い時間ではありましたが、非常に有意義な時間を過ごすことができました。また、私の不手際で名刺をお渡しすることができず、大変失礼いたしました。
以前お話した商品のご案内と一緒に名刺を同封いたしましたので、ご確認ください。今後とも、何卒よろしくお願い申し上げます。
謹白
また、書類を同封せずに名刺だけ送付する場合、クリップで名刺をお詫び状に留めて長3サイズの封筒に入れて送付するといいでしょう。
名刺を送付するときのマナーを把握しておこう
- 名刺は、書類の右上にクリップで留める
- 送付に適した封筒を選ぶ
- お詫び状は丁寧にマナーを守って書く
書類と一緒に名刺をスマートに送付する方法と、名刺を渡せなかったときに送る「お詫び状」の書き方を紹介してきました。
最近では名刺を切らしてしまっても、名刺の情報をアプリでやり取りしたり、打ち合わせ後にメールで名刺の情報をテキストで送ったりなど、ITを駆使した対処法をとれるようになりました。
お詫び状の書き方について明記しましたが、相手の年齢や役職などを踏まえて対応の仕方を考えてみるのがベストです。
資料と一緒に名刺を送付する単純な作業でも、ビジネスマンとしての心づかいを示せます。
本記事で紹介したマナーを参考に、相手を気遣った送付の仕方を実践してください。
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