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製品ライフサイクルの「成熟期」に入った製品のマーケティング戦略の考え方

Shingo Hirono

2014/04/10(最終更新日:2014/04/10)


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by ePublicist
 製品の「成熟期」とは、製品が市場に投入され(導入期)、消費者に認知されて購入層が広がり(成長期)、大多数の消費者に幅広く知られて購入が進んでいる時期を指します。この成熟期は競合企業が多数市場に参入しており、かつ、消費者はその製品を知り尽くしているため、マーケティングも目新しさに欠ける内容になることが多い時期です。よって、成熟期に入った製品のマーケティング戦略は、最も難しいと言われます。では成熟期のマーケティング戦略は、どのように考えればよいでしょうか。

1. 積極的に差別化を行う

 成熟期に入っている製品は、品質や価格などがほぼ市場のコンセンサスとして機能しており、全体的になだらかな値下げ傾向になっている時期です。よって、この時期のマーケティング戦略に必要なことは、「差別化」です。 

 商品が成熟期になっているこの時期こそが、最もその企業のマーケティング能力が問われます。近年の傾向として多いのは、消費者の「参加型」キャンペーンなどでしょう。商品の購入者に感想などを口コミしてもらい、口コミをしてくれた購入者に次の新製品をプレゼントするといったキャンペーンです。

 このことにより、現状の消費者の満足度などがわかり、それを参考に購入する人が増え、かつ次の新製品のアピールにもつなげることができます。成熟期の製品に必要なマーケティング戦略は、いかに他社と差別化できるかということなのです。

2. 次に活かすマーケティング戦略

 前述した新商品のプレゼントキャンペーンもそうですが、やがて衰退期を迎えるであろう製品については、「次に生かすマーケティング戦略」が必要になります。これまでは、この時期のマーケティング戦略と言えば、例えばカラーの追加やプレミアム版の投入などが一般的でした。商品の新鮮さを保つ意味ではこの戦略は有効ですが、ライフサイクルがどんどん短くなっている現在では、このようなバリエーションの変更は消費者が望んでいないとも言われています。

 消費者は常に斬新なものを望む傾向にあるということです。よって、「既存製品を広げるマーケティング」から、「新しいものを生み出すマーケティング」への方向転換が必要になっていると言えます。カラーの追加などは、設備投資を可能な限り少なくして新鮮味を保とうとする、企業論理のマーケティングなのかもしれません。


 製品が成熟期に入った段階のマーケティングは、「他社ではできない、消費者の次の欲求を満足させるためのマーケティング」が必要になっているのです。

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