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マーケティング戦略に「サンプリング」を導入することで得られる3つの効果

Shingo Hirono

2014/04/09(最終更新日:2014/04/09)


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by tonyhall
 マーケティング戦略の一つに「サンプリング」という手法があります。サンプリングとは統計調査などを行う際に全体の中から一部分を取り出してサンプルとして使用する手法のこと。マーケティングにおいてサンプリングは、特に重要な意味を持ちます。今回は、マーケティング戦略として「サンプリング」を行うことで得られる効果を紹介します。

1. 調査の費用を節約する

 マーケティングにおいて統計は調査や分析に必須の要素です。統計の結果を正確に測定するために一番効果的な方法は、市場の全員を対象に調査する全数調査ですが、現実的な問題としてそれは不可能でしょう。費用に多額の費用と膨大な時間がかかってしまうため、マーケティングとしての効果が全く期待できなくなってしまいます。

 全体から一部分を抽出して調査を行うサンプリングは、全数調査に比べて大幅に費用と時間を節約することができるのです。一部分のみを調査するため、結果に偏りやずれが生じてしまう可能性がありますが、ランダム抽出やサンプル数の適正化によって最小限に抑えることが可能でしょう。

2. 反応や傾向を知ることができる

 マーケティング戦略としてのサンプリングで一般的な手法が、試供品調査です。ターゲットに対し試供品を提供して実際に使用してもらい、感想を調査することで顧客の反応をより直接的に知ることが可能になります。商品開発の段階で想定したものと違う反応が確認されれば、それを製品にフィードバックして改善することが可能になります。新商品の開発には欠かせない効果です。

 また、新商品の販売開始に合わせたサンプリングを行えば、顧客の反応を見て販売促進戦略をより効果的なものにすることが可能になります。若者に評判が良ければ若者重視のマーケティングを取れば販売数が伸びますし、女性に好評であれば新たに女性向けの商品を開発することもできるでしょう。

3. 綿密な調査が可能である

 サンプリングは調査ターゲットを絞って行われるマーケティング戦略です。そのためマーケティング戦略の結果観察が容易になり、マーケティング戦略によってどのような効果が表れるのかを詳細に観察することができます。ある商品の調査を行う場合、市場全体をターゲットにした場合は全体的な傾向しか調査できませんが、調査対象となる店をサンプリングで抽出すれば、より細かい調査が可能です。

 商品を買う人の年齢や性別、配置場所による売れ行きの変化や購入を決断するまでの時間など、サンプリングを行うことで全体調査では細かすぎて目の届かないところまで詳しく調査することが可能になります。


 サンプリングとは、全体から抽出した一部分を調査することで全体に応用する手法です。マーケティング戦略としてのサンプリングは、費用や時間を節約できるというメリットもありますが、より有用なのは詳細な観察です。顧客を詳細に観察することでより詳しい分析調査が可能になり、マーケティング戦略に重要なデータを収集することができます。

 サンプリング調査は正確な抽出ができて初めて意味を持つもの。サンプリングの結果に偏りが生まれないように、慎重な抽出が求められます。

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