マーケティングミックスという言葉を聞いたことがあるでしょうか?マーケティングにおける基本的な考え方の一つですが、これを押さえることで、企業の成長に対し、非常にポジティブな影響を与えることが出来ます。その成功事例の一つがソフトバンクです。今回は、そのマーケティングミックスという考え方を元にソフトバンクの成功事例について見ていきたいと思います。
1. マーケティングミックスとは
一般的には「4P」と呼ばれている方法をマーケティング戦略の中に活用していく事とされています。4Pとは何でしょうか。Product(製品、品質、ブランド、サービス)、Pice(価格、割引)、Promotion(宣伝広告)、Prace(流通、在庫)の4つです。成功を収めているマーケティング事例には、これらの要素がほぼ含まれています。具体的に事例を見ましょう。
2. ソフトバンクの事例
元々、ソフトバンクが引き継いだ携帯は、ボーダフォンという携帯でした。ボーダフォンは、ドコモやauに比べ「安い」というメリットのみの携帯と言っても過言ではないものでした。しかし、その「安い」というイメージを、「安いだけ」ではなくて他の付加価値も加えながら維持し、4Pをフルに活用していく事によりドコモやauと肩を並べる、いや抜き去る会社にまで成長したのです。一つずつ見ていきましょう。
(1)Product「製品」
ソフトバンクが求めたブラント化出来る製品の中に、シャープの「Aquos」携帯があります。これは、シャープの液晶の技術を惜しみなく投入し、確実に他社メーカーの携帯とは一線を引いた携帯として世に提供する事となりました。それまでは、NECのNシリーズに力を入れて打っていたドコモが、ソフトバンクを後追いする形で扱う事になった有名な商品です。
(2)Price「価格」
PHSを販売しているウィルコムは、ウィルコム同士の通話は常に無料、という画期的なプランを掲げたにも関わらず、やはり携帯にとって代わる事は出来ませんでした。しかし、元々携帯にとって代わろうとしていたのではなく、セカンド携帯としての地位を狙っていたものとされています。
ソフトバンクは、この地位を獲得しました。まず、基本使用料も含め、ドコモやauが価格を下げたとしたら、24時間以内にそれ以下の価格にするなど、常に最安値を更新し続けるという約束をし、更に、ホワイトプランという1時~21時はソフトバンク同士の通話料は無料、というウィルコムに近いプランを打ち出しています。
PHSならまだしも、携帯でこれを行うという事は不可能だ、とそれまでは考えられてきましたが、見事にその通説を打ち破ったのです。そして、携帯機種料金の分割支払い方法の導入。当時のドコモやauは、携帯本体の価格を極限まで下げての競争となっていたため、一見機種代金としては他社に比べて高額なのに、分割支払いにする事でそれを感じさせなくさせ、さらにそこに割引サービスを適用させる事により事実上機種代金の最安値まで達成する事が出来たのです。
(3)Promotion「宣伝広告」
覚えているでしょうか?ソフトバンクの初期のテレビCMには、キャメロン・ディアスやブラッドピットが起用されていた事を。これは、ソフトバンク携帯のブランド化のイメージを確約するのに、当時としてはあまりにも衝撃的なCMでした。
しかも、そのキャメロン・ディアスが表紙となっている冊子をコンビニに置くのですから、テレビで見たその姿が手に取れる一番身近な所にある訳です。価格で他社を圧倒する事を約束した訳ですから、それを伝えるCMも重要です。
これを達成させるために、ホワイトプランを伝える白戸家の人々をプロデュース。上戸彩と犬、これだけでも面白いのですがそこにカタコトの日本語を話す黒人のお兄さんという設定は、一度見ただけで忘れられないCMとなったはずです。さらに、他の会社の様に温かみを伝える様なコマーシャルも、人間味あふれるCMを演出する事によって伝えています。
(4)Prace「流通、在庫」
流通市場のおいては、ソフトバンクだけでなくドコモやauも自信を持っているものです。ただし、ソフトバンクの販売店には、ドコモやauの販売店の様に、販売店独自の価格競争は存在しません。どの販売店に言っても同じ価格なのです。
これは販売する売り手にとって、価格ではなく売り込む内容だけに集中する事が出来ますし、買い手側も、違う販売店に行けばもっと安く、或いは違うサービスがやっているかも…と余計な手間をかける事がありません。ここも、考え抜かれたマーケティング技術が鮮明に浮き出ているところです。
以上が、マーケティングミックスの成功事例です。他にも多くの事例がありますが、ソフトバンクの事例は、マーケティングミックスのメリットを最大限引き出している事例の一つです。しっかり参考にし、会社の成功に繋げていきましょう。
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