「企画」と「構想」という2つの言葉は広義には同じような意味を持つが、それぞれ違った意味合いがあるのはご存知だろうか?
今回は、似ているようで異なる「企画」「構想」の意味について少し考えてみたい。
「企画」とは?
まずは、「企画」という言葉を使う場面について考えてみたい。
ビジネスシーンで「企画」を使う場面といえば、会議やミーティングなどで用いられることが多いだろう。
「企画書」や「企画案」など、多くの人を目の前にプレゼンテーションをする際にも使われる。
ある物事の内容を考え、実現に向けての計画を立てることが「企画」
会議などの人が集まる場所において使われることの多い「企画」だが、辞書には「実現すべき物事の内容を考え、その実現に向けて計画を立てること」と定義されている。
言い換えると、何らかのテーマを実現、もしくは解決するための行為が「企画」なのだ。
「構想」とは?
一方で「構想」とは、どういった意味なのだろうか?
「構想」という言葉の使い方の例としては、「構想10年」「大型商業施設の構想」「物語の構想を練る」などが挙げられる。
これから行う事柄について考えを組み立てることが「構想」
「構想」と「企画」の違いを考えるため、「構想」の意味を辞書で確認してみよう。
「構想」は、「これからしようとする事柄について考えを組み立てること、その考えの内容」と辞書で定義されている。
言葉の使い方からわかる「企画」と「構想」の違い
これから実現したいことの内容をまとめて、イメージを描くという意味では「企画」も「構想」も変わりはないといえるだろう。
しかし、言葉の使い方の例からわかるように、「企画」は比較的に短期的で単発的、小規模な取り組みに対して使われている。
それに対して「構想」は、期間や規模、スケールともに大きな枠組みで語られることが多いのだ。
つまり、これらの2つの言葉の間には「時間的、量的なスケールの違い」があるということになる。
「企画」は常用。「構想」はここ一番
上述のような捉え方をすると、「企画」と「構想」をどう使い分けるかがわかってくる。
ビジネスシーンにおいてどちらの言葉をより多用するかというと、やはり「企画」だろう。
「企画」は単発的、個人的なものであることが多いため、使うシーンも多いと考えられるのだ。
社運をかけて計画を練る場合に使う「構想」
一方で、「構想」する機会というのはそれほど多く訪れるわけではない。
先に述べた通り「構想」には、比較的多くの時間や人などのコストを費やすことになる。
したがって「構想」という言葉を使う場面は、会社や企業の社運をかけてなにかの計画を練るときということになる。
何かの「構想」に関われる機会があったら、滅多にないチャンスだと考えて一所懸命に仕事に打ち込んでみてほしい。
「企画」と「構想」は方向的には同じ系統の言葉であるが、厳密には異なる意味を持っているということは理解できただろうか。
「企画」と「構想」、これらの中に詰まっている大小、量、時間などの要素が2つの概念を峻別しているのだ。
企画は比較的に小さな規模で短期間かつ単独で練り上げられるものであり、構想はより大きな規模の物語を多くの時間をかけて形成するものだ。
その違いをしっかりと認識しておこう。
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