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マーケティングの効果を高めるために知っておきたい「差別化」の種類と活用方法

Shingo Hirono

2014/04/08(最終更新日:2014/04/08)


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マーケティングの効果を高めるために知っておきたい「差別化」の種類と活用方法 1番目の画像
by Joe Parks
 競争が激しい今日では、いかに他社と差別化を行って市場優位性を保つか、ということに重点が置かれています。そして、その差別化を鮮明に消費者に伝えるのがマーケティングの役割です。ではどのように差別化を行い、マーケティングを効率化していけば良いのでしょうか。

1. 差別化の種類

 「差別化」と一口で言っても、いろいろな差別化があります。まず最も考えやすいのが、「品質の差別化」です。例えば、ロボット型の掃除機は、これまでの掃除機の常識を覆すものとなり、日本の消費者にも広く受け入れられるようになりました。これは、掃除機そのものもの常識を変えた一例です。このような品質そのものの差別化を「垂直的差別化」と呼びます。

 また、品質ではないところで差別化する場合もあります。最近ですと、ある航空会社が客室乗務員の制服を一新し、話題を呼んでいます。これは航空会社の本来の品質とは関係ない、イメージによる差別化です。このような差別化を「水平的差別化」と呼びます。

2. マーケティングの本領が発揮されるのは、「水平的差別化」

 ここでマーケティングを効率化できる差別化について考えてみます。上記で言うと、ロボット型の掃除機は、使って初めてその便利さがわかります。そして、便利さがわかると、消費者はその掃除機を自ら使うことになります。よって、高まった品質をいかに認知させるかがマーケティングの仕事となります。正しく伝わりさえすれば、消費者は使ってくれるのです。これに対し、制服の変更の場合、それだけでは付加価値は高まりません。

 よって、差別化を上手にアピールして消費者を引き付けることが、マーケティングの仕事です。そのような意味では、内容の良し悪しはともかくとして、今回の制服の変更は大きな話題を呼び、様々なメディアで報道され、消費者を引き付けました。マーケティングの手段としてだけで判断するとすれば、それは素晴らしい効果があったと言えます。品質は何も変わらないのに、大きな話題を呼んだからです。

 このように、マーケティングを最も効果的に活用できる差別化は、「垂直的差別化」です。しかし、気を付けなければならないのは、「品質が伴ってこそ、初めて垂直的差別化のマーケティングが生きる」ということです。


 制服だけが注目されても、航空会社としての品質である「安全で遅れのない、快適な輸送」ができなければ、どんなにマーケティングを行い、成功したとしても、長続きはしません。常に品質を高め、かつマーケティングで垂直的差別化を行う、ということが最も良い方法と言えるでしょう。

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