マーケティングと組織の関係性を考えるときに重要になるのが「機能別組織」という考え方です。機能別組織という考え方は古くから存在し、様々な組織に導入されています。では、機能別組織とは具体的にどのようなものなのでしょうか。今回は、マーケティング用語として知っておきたい機能別組織について解説していこうと思います。
組織の機能の分割と特化
組織論における機能別組織とは、特定の機能を持つ集団を集めて特化させることにより組織運営の効率化を目指す組織運営法です。一般的な企業にも機能別組織の考え方は導入されており、営業、総務、法務、総務、人事、経理等、担当する業務別に組織内を分割し、その作業に特化した業務を担当させることでより効率的な組織運営が実現できます。もし機能別組織が組織運営に導入されていない場合、一人の社員があらゆる業務を担当することになってしまいます。労働者には得意不得意があり、労働効率には経験や習熟度も関係してきます。
責任と権限の明確化
機能別組織という考え方のもっとも優れている点は、業務範囲と責任が明確になることです。業務を細分化することで仕事の担当範囲と責任が明確になり、細分化した部門ごとに一定の権限を与えることが可能になります。機能別組織が成立していない場合、全ての業務の責任は組織のトップが一人で背負うか、責任範囲が曖昧なままばらばらに仕事を進めることになってしまいます。どちらの場合も効率的な業務進行が可能とは言えず、健全な組織運営の妨げになってしまいます。
機能別組織では独立した部門ごとに責任者や管理者が設定できるため、専門知識を持った担当者の判断によって組織を運営していくことが可能になります。トップの仕事はそれぞれの責任者の管理に特化するため、トップの仕事量を減らし組織全体の運営に専念することができるのです。
指揮命令系統が運営のカギ
機能別組織を運営する場合、重要になるのが組織内の命令伝達系統です。機能別組織はそれぞれの部門が独立した権限を持って活動することが可能なため、時として意思統一が難しくなる場合があります。組織全体を統括して正しく運営するためには、目指すべき方向を明確に示し、指揮命令と意思伝達がスムーズに行われる体制を確立しておかなくてはなけません。
指揮命令と意思伝達の問題は組織の規模が大きくなるほど影響が出やすくなるため、日ごろから意見交換のためのミーティングを行ったり、正しい意思伝達が行われているかをチェックする必要があります。
部門間の意思疎通がとられていない場合、組織が縦割り化してしまうというデメリットもあります。部門の壁を取り払うような交流を促進し、組織内の風通しを良くしておく必要があります。
まとめ
機能別組織の考え方はあらゆる組織に取り入れられており、行政や企業、ボランティア団体まで幅広く普及しています。能力を特化させることができるのでメリットの多い組織運営法ですが、運用を間違えばさまざまな弊害が生まれてしまうので、常に注意を払って運営していく姿勢が求められます。
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