朝礼の場を使って、従業員のモチベーションや士気を高めるなど大きな効果を発揮している企業がある一方、朝礼の内容が他の会議内容と重複していたり、参加者が集まらないなどでの問題から時間の無駄となっている企業もあるのです。
これらの要素はそもそも朝礼の場の目的が設定されていない等、様々な要素も複雑に絡んでいるのも事実ですが、昨今、朝の貴重な時間帯に行う朝礼は弊害が多いという指摘も多く見られます。確かに場合によっては朝礼を廃止してしまった方が、マネージャーやメンバーにとっても有益なこともあるかもしれません。以下では、朝礼を行うことによって被る弊害について述べていきます。
1. 業務能率の低下
朝の時間というのは、午後と比較して集中力も高まる時間帯です。朝早く出勤して企画書を仕上げたり、デザインを考えたり、文章を作成したりする人も多いでしょう。しかし、朝礼があれば、その時間は一度区切りをつけて、思考をストップさせなければなりません。そういった人たちにとって参加するだけならまだしも、自分が朝礼時の進行役やネタを用意しなければならない役割であれば、その準備も事前に必要になります。
「朝礼の為に、事前に準備をしておけば良いじゃないか」という人もいますが、実際にはその朝礼ギリギリまでに必要な資料が集まらないが為に回収に苦労したり、また、プロジェクターを用意しなければならなかったり、といったケースはよくあることです。このような日々が毎日、あるいは毎週続くことは、業務能率を下げてしまうでしょう。
2. 一部の人間のみが参加
朝礼に様々なコンテンツを設ける企業があります。例えば持ち回りで今週の意気込みなどを述べる機会、今の組織全体の業況や進捗共有もよくあるコンテンツです。持ち回りで意気込みを発信するという行為には、明確な目的があって朝礼参加者全員が真剣に考え真剣に聞く、ということが徹底されていれば良いことかもしれません。
しかし、意気込みを人前で発信する人間が決まって若手社員、それを聞いている先輩や上司はあまり関心なく、少し冷めた目線で見ているというのはよくあることです。先輩や上司たちは、自分たちも経験してきた若手がやるのは当たり前、自分はもう極力やりたくないという雰囲気が漂っているのです。
もっと最悪なのは、上司に限っては朝礼中でもパソコンを触ったりケータイに出ても、誰も文句を言わない状況です。これでは、人前で話をしている方としては“やらされ感”、ばかりで見せ物にさせられていると思ってしまうでしょう。こうした一部のみの人間が参加を強いられている朝礼は大きな弊害と言えます。
朝礼を行うことによってプラスに作用することもあれば、組織や社員に弊害をもたらすこともあります。何のための朝礼なのかを忘れずに、全員参加で有益な朝礼を行うことが重要なのではないでしょうか。
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