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【きちんと理解していた?】マーケティングで使われる「インサイト」の意味

Shingo Hirono

2014/04/04(最終更新日:2014/04/04)


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by geezaweezer
 マーケティング用語の1つに、「インサイト」という考え方があります。そして、このインサイトは、マーケティングを行う上で考えなくてはならない考え方の1つです。では、インサイトとはそもそもどんな意味を持つのでしょうか。

1. インサイトとは「消費者の隠れた意識」

 インサイト(insight)とは、「洞察」という意味です。これがマーケティングでは「消費者インサイト」などと言われて使用され、「消費者を洞察する=消費者の表面的ではない隠れた意識を捉える」こととして使われています。消費者自身が気づいていない需要をとらえ、それを商品化するということです。

 場合により、「消費者全体の意識の理解」と捉える場合もあるようですが、厳密には、「消費者の隠れた意識の理解」と認識しておけば大丈夫でしょう。よってインサイトは、例えば大々的に行われるアンケートなどでは捉えにくい場合もあると言われています。アンケートなどでは、例えば「どんな製品が欲しいですか?」と聞かれてもなかなか答えが出てこないからです。

 また、消費者は、「常に後出しである」と言われます。そこに商品がなければ欲しいとは思わず、あると「実はこんな商品が前から欲しかった」と思うのです。ノンアルコールビールがない時代に、ノンアルコールビールへの需要があったかというと、そうではありません。ビールは酒であり、酒ではないビールは考えられなかったからです。

 しかし、今はノンアルコールビールが普通に飲まれています。このように、消費者の隠れた需要を商品開発につなげるというのがインサイトの考え方です。

2. インサイトの見つけ方

 従来のマーケティングというのは、統計やフレームワークを使って、大きな視点から市場を捉えてきたと言えます。温泉施設なら、「時間に余裕のある高齢者をターゲットとして、他社と差別化した高級感を打ち出した施設を作る」という具合でしょう。これは、時間に余裕のある高齢者は高級感のある温泉施設のニーズが高い、という前提で打ち出される戦略です。そしてその前提は、これまでの温泉施設の顧客データなどで実際に確認することができます。

 しかし、インサイトの考え方は、例えば現在温泉施設に若い女性が来なくても、実は入浴剤は売れているということであれば、そこに着目して、それなら温泉施設への潜在需要もあるのではないか、と考えます。そして、その潜在需要にアプローチした若い女性向けの温泉施設を作るのです。


 インサイトという考え方は、これまでの「同一ターゲットへの製品の差別化」ではなく、「今まで考えていなかったターゲットの掘り起こし」であると言えるでしょう。

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