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マーケティング・イノベーションを起こすことの出来る「人材イメージ」3つのポイント

Shingo Hirono

2014/04/04(最終更新日:2014/04/04)


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by Kaplan International English
 マーケティングやイノベーションがビジネスにおいて重要であることは周知の事実ですが、それを正しく理解し実践できる人材は限られています。マーケティングやイノベーションの理論は理解していても本質を理解できていないという人は意外に多く、理屈ばかりが先走って現実のビジネスモデルに応用することができていない、というケースが多く見られるのです。

 では、マーケティングやイノベーションを正しく実践できている人材とはどのような人材なのでしょうか。今回は、マーケティング・イノベーションを起こすことの出来る人材イメージについて考えてみたいと思います。

1. 結果から原因を導き出せる

 マーケティングやイノベーションのきっかけは市場と顧客の調査から始まります。調査で得られるデータは現在時点における結果のみであり、なぜこの結果になったのかを考えることができる人材でなければ、調査結果をマーケティングやイノベーションに生かすことができません。

 顧客は自分の気持ちに正直に消費行動を起こしますが、その行動の理由を消費者本人も気づいていないケースは珍しくありません。なぜそのような行動をとったのか、ということを結果の分析から正しく導きだし、それをマーケティングやイノベーションに役立てることができる人材がビジネスを成功に導けるのです。

 マーケティングやイノベーションに関わる要因は一つだけではありません。時には複数の原因が絡み合って消費者の行動を決定づけている場合もあります。複数の要因を一つ一つ整理し、何がどのように影響を与えているのかを分析することができる人材が、マーケティングやイノベーションを正しく実践できる人材と言えるでしょう。

2. 潜在的な願望を拾い出せる

 マーケティングやイノベーションにおいて最も重要なのは「消費者の欲求を満たすこと」です。消費者の欲求を満たすような商品やサービスが提供できれば、企業の市場における競争優位性は増し、より高い利益につながります。消費者の欲求を知るためには市場調査や顧客満足度調査といった手法を用いますが、これらの調査で得られた結果がすぐさま企業の商品開発に応用できるわけでありません。

 消費者の欲求がわかっても、その下にある本質的な願望を拾い出せなければ意味がありません。例えば「色落ちしない洗剤がほしい」という欲求の裏側には「服の色を気にせず洗濯したい」という潜在的な願望が潜んでいるのです。この声を願望としてすくい出せば色落ちしない染料の開発や、洗っても色落ちしない服の開発に結び付けることが可能になります。

 消費者は欲求を直接的に訴えているつもりでも、本質的な願望が別にあるというケースは珍しくありません。そういった隠れた願望を見逃さない姿勢が、マーケティングやイノベーションに結びついていくのです。

3. 分析結果を行動に移すことができる

 マーケティングやイノベーションの究極の目的は「新たな顧客の創造」です。単純に市場のシェアを競い合うだけでなく、今まで市場に参加していなかった消費者を掘り起こし新たに顧客にすることが企業の安定的な発展へとつながります。

 その例として挙げられるのが、ノンアルコールビールです。ノンアルコールビールは当初の開発目的は飲酒運転の防止でしたが、販売開始後の調査結果では飲酒運転防止でノンアルコールビールを飲む人よりも、妊娠中でお酒を飲めない人やランチ中の商談でアルコールが飲めないビジネスマンからの需要が高いことが判明したのです。

 これらの調査結果はメーカーの想定外のものでしたが、この調査結果をマーケティングにすぐさま応用し、ビジネス街のレストランや主婦が集まるファミリーレストランなどに積極的にノンアルコールビールをセールスして業績を伸ばすことに成功しました。

 当初の想定とは異なる結果が表れても、それを即座に反映して新たな価値を顧客へと提供することができるのが、マーケティングやイノベーションを起こすことができる人材なのです。

 マーケティングやイノベーションを起こす事ができる人材イメージに共通しているのは、正しい分析力と行動力です。消費者が何を考えているかを正しく理解し、願望を満たすような活動を行動に移すことができればマーケティングやイノベーションを起こす事は難しいことではありません。

 マーケティングやイノベーションを起こす事ができる人材になるためには、正しい理解と他社への共感力がとても重要な意味を持ちます。消費者の立場に立って考えられる人材こそが、ビジネスを新たに切り開くマーケティングやイノベーションを起こせるのではないでしょうか。

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